マガジンのカバー画像

君の知らない君の詩

36
自作。思い入れのある、手紙のような詩。 マガジンのタイトルは、ASKAさんのアルバム名のもじりです。
運営しているクリエイター

2021年10月の記事一覧

餞

──ああ、こんなところにも生きる意味は芽生えるのか。

こんな痛みは、知らなかった。

私は今まで宙に浮いたように生きてきたが、これから先は一層そのように生きていくのだろう。

雲の上を歩くようにして。

ただ、心に炎を点しながら。

私にあるのは、おまけであり、残されただけの道。

それを消費するためだけに、足を動かし、歩を進める。

何かを目指す訳でもなく──。

「また来ん春」

そんな言葉

もっとみる