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おさがり

今、家のベランダには、以前、息子が来ていた服が干されている。
一年から二年ほど、前の服だ。
ベランダの鉢植えに水をやりながら、「こんな頃もあったな」「小さくて可愛かったな」と感慨深いものがある。
なぜ、そんな古い服が取ってあって、今頃洗濯されているのかである。
妻が物持ちの良い人間で、棄てずに取ってあっただけなのだが。
これらは、私の従姉妹の息子達におさがりするのだ。
譲る前に一着一着ほつれなどが無いか確認して、状態の良いものだけを洗濯して送る。その洗濯の段階で干してある。
このおさがり。
私と従姉妹が小さな頃、私のおさがりを従姉妹が着ると言うことがあった。
私には弟がいるのだが、弟は私より身体が大きくて、私のおさがりを着ることが出来ない事が多かった。
で、弟の為にとっておいた服は、少し年の離れた従姉妹におさがりしていったのだ。
性別が違うので、本当に幼い赤ん坊ぐらいの頃だけだったが、昔実家で撮った写真には、私のおさがりを着た従姉妹がしっかり写っている。
私のおさがりを着ていた従姉妹。その息子達が私の息子のおさがりを着る。
なんか不思議な縁というか、繋がりを感じて、心が少しだけ温かくなった。

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