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僕を救ってくれた先輩の一言


#あの会話をきっかけに

私は、IT系のエンジニアをして17年になります。

ソフトウェア開発のベンチャー企業に新卒で入社し、2度の転職を経験。

いずれの会社でも、新入社員として、若手として、それなりに成果をだして評価され、そして今も中堅としてそれなりに評価されています。(成果が出せているかは個人的に大いに悩むこともあるのですが、、、それは、別の機会に)

自分が今もIT系のエンジニアとして生活をしているのは、ある一言のおかげです。

それは、自分が、新入社員の頃の話し。

技術的には落ちこぼれに近い自分ですが、上司や先輩にも恵まれ、仕事を順調にこなし、同期の新入社員の中でも一足はやく昇進。

大手企業の出向から戻ってきたキラキラのエース級上司に可愛がってもらい、

「俺は仕事がデキる!!」

と勘違いしていたことがありました。

まあ、振り返ってみて仕事がデキないことはないと思うのですが、デキるヤツでは無かったと思います。とにかく、周りを巻き込んでも一生懸命やる迷惑なヤツだったと思います。

その辺は、今も基本的に変わらないのですが。。。

そんな自分が、3年目に部署異動した時のことです。

それまでの部署は、社内でも1番の売上と利益率を誇る部署で、仕事は楽とは言い難いですが、デスマーチや炎上案件などと呼ばれる仕事をしたことはありませんでした。

異動先の部署は、新規顧客の開拓や新サービスの開発がメインで、ほとんどの案件がデスマーチ、炎上するという恐ろしい部署で、私自身、炎上案件の火消しにヘルプで駆り出され、そのまま拉致監禁という状況でした。

そんななか、私は、新卒入社1期先輩の社員A先輩と、中途入社で年齢が近いB氏と3人で仕事をすることが多くなり、3人でよく飲みにも行っていました。

私は、この先輩2人と仕事をするのが、非常に楽しい半面、非常に辛くもありました。

両氏は、非常に優秀で仕事ができ、尊敬・憧れの存在といっても過言ではありませんでした。

しかし、B氏は、中途入社で社会人経験も長く、尊敬する遠い存在として素直に受け入れられたのですが、A先輩は、自分と1年しか年齢の違わない新卒社員のハズなのに、同じ人間のハズなのに、到底及ばない実力の差を感じて焦りを感じていました。

もともと、技術力に自身の無い自分が、A先輩という存在と一緒に仕事をすることで、勝手に自分と比較し、焦り、次第に自分を「デキないやつ」「ダメなやつ」と卑下する様になっていました。

少し前まで「俺は仕事がデキる!!」と思っていたので、その落差は酷いものでした。

ある日の帰宅途中のこと、B氏と帰りの路線が途中まで一緒で、その日も一緒にだべりながら電車に乗っていました。

私は何を思ったのか

「自分、会社を辞めようかと思うんです。というか、エンジニアを辞めて、地元に帰って別の仕事をしようかと思っています」

というようなことを、いきなりぶっちゃけたのです。B氏は、面食らったかもしれません、めんどくせぇとも思ったかと思います。でも、B氏は真面目にその理由を聞いてくれました。

自分が、A先輩と比べてあまりにデキないこと、自分の様な人間はエンジニアには向いていないと悩んでいることを打ち明けました。

するとB氏は、

「Aさんと自分を比べるなんておかしいよ。新卒何年かでAさんみたいに仕事がデキる人間は普通いない。自分も経験があるから対等かそれ以上に仕事してるけど、同じ年次の自分だったら勝てないと思う。myoshiくんぐらいがさ比べて良い相手じゃないんだよ」

とのこと、ああ、そうなのかと少し気が楽になったのを覚えています。さらに、

miyoshiくんが、エンジニアに向いてるかなんてわかんないけどね。向いてないとは思わないよ。向いてないやつは分かるから

と、この一言に本当に救われました。

上辺の慰めではなく、本当にデキないやつだとは思っていない。ある種、認めてもらえたというか、俺、生きてて良いんだという気持ちになったことを今でも鮮明に覚えています。

「デキる」と錯覚していたが故に勝手に挫折しかけた痛いヤツを救ってくれたB氏に感謝です。

また、その圧倒的な実力で仕事がデキるとは何かを見せつけてくれたA先輩にも感謝してます。

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