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ENHYPEN アイドルのファンとして

「応答せよ1997」で描かれたのはかつての熱狂的なアイドルファンの姿。当時大人気だった「H.O.T.」と「ジェクスキス」のファン同士の戦いぶりがドラマのストーリーに絡んでいる。日本では(古くて申し訳ないけど)マッチ派かトシちゃん派かで熱い戦いを繰り広げていた時代があった。その勢いをはるかに上回る熱狂ぶりは韓国のお国柄もあるのかなと思ってみていた。主人公を演じたのはApinkのボーカル'チョン・ウンジ'(めっちゃ歌うまいよね。ちなみに応答せよシリーズはどれも最高)。
彼女が演じる女子高生のある意味脅威的なアイドルを追いかける姿はやりきり感があってみていて気持ちがよかった。
ただ、それはそんな時代もあったんだよと大人になった主人公が振り返る場面でもあった。
KPOP第1世代と呼ばれたこのドラマの時代1997年からすでに20年以上が過ぎて第4世代となったいま、アイドルを応援する形は携帯電話やインターネットSNSの普及で驚くべき変化をとげた。だから、今の韓国であのドラマのような勢いのあるファンがいるかどうか(第2第3世代の裾野を広げたことに間違いはないけど)はさておき、アイドルを好きで応援している気持ちは何も変わってはいないと思う。ただ、いつの時代もそうだと思うけど、愛するあまりアイドルに求めすぎるファンが存在すること。
ファンサイン会の様子をSNSで知ることができて、会えなくても会ったつもりになれてうれしい。ただ、多いのが何かをしてほしい、愛嬌してほしい、私のことをどう思うか、などと求めてばかり。アイドルはあなたのモノではない。つい先日ツイッターの投稿であったのはジョンウォン(リーダー/17歳)に感謝の気持ちをボード何枚かに書いてみてもらうっていう感動のヨントン(ビデオサイン会の呼称)の様子。みんなこうあるべきじゃないかと。時間も限られているし思ったことうまく伝えられないかもしれないけど、いつも元気をもらっている、ありがとうって言葉だけでじゅうぶんなんじゃないだろうか。自分がどうされたいじゃなくてどうしたら彼らが幸せかを考えるべき。
それと彼らの心理は彼らにしかわからない。彼らの不安の解決は彼らや周りのスタッフがすること。憶測して騒ぐのは愛が過ぎていると思う。
Debut Trailer 1 : Choose-Chosen(2020年11月30日のデビュー前2020年10月22日にUPされた)の中の一説にこうある。「人は僕たちを崇拝の目で見上げるけれど、僕たちは彼らを妬ましく見上げる。どうして手に入れる事の出来ない物を欲するのだろう?」
彼らの歌詞には自分たちそのものを映していると常々彼らも言っている。私たちはそれをきちんと受け止めているだろうか。
彼らが体験した苦悩と道のりを私たちは知っている。けれども今の彼らはその姿を私たちに見せないように、心配をかけないように細心の注意を払いながら過ごしている。『FEVER』(「BORDER :CARNIVAL 」2021年4月26日リリースの中の一曲)の目隠しの振り付けはその真実を表現しているような気がする。アイドルでいることが必ずしも幸せではないってことをデビュー後の彼らは身をもって体験したからこそのあのMVでの演技やパフォーマンスにつながったんだと思う。
作り手のメッセージを私たちはきちんと受け止めているだろうか。

そしてとても長くなったけど最後に『별안간(ピョランガン)Mixed Up』の歌詞(公式ではなく和訳サイトのものを少し直したものです)を載せておきます。
ここにも彼らの気持ちはたっぷり書かれてある。韓国語がわからなくてもどかしいことたくさんあるけど、もし和訳されてる歌詞を見てないって人がいたら見てほしい。ダンスパフォーマンスが素晴らしすぎて私たちを十分魅了してくれるし惜しみなく普段の姿を見せてくれるけど、歌詞の意味を知って応援するのと知らなくて応援するのとでは変わってくると思うから。

『별안간(ピョランガン)Mixed Up』
僕をそのままにしておけないよねちょうど騒がしく鳴った通知音
静かになるのを望んだ世界がAll day long All day long
揺れ動いてまた 揺れ動いてまた刺激的なゴシップの主人公になった僕は
I don’t understand don’t understand熱く火が付いたダイレクトメッセージ
うんざりだ こんな有名税 忘れてくれ静かに Oh
それでこれは全部 何だよ 話になる話か
僕に向かった喉の渇き ふと目を向けると
話題の中心に Mixed Up また始まった
世の中が突然バンとひっくり返って
Mixed Up  あの子がその子なのかと
みんながぼくの話だけをしてそうだ ぼくだと
思わず主人公になったゴシップ ゴシップ
Mixed Up一日中僕を放っておいて
ひとしきりまた押し寄せて 騒々しい台風の中
ぼく一人が静かなだけだ
意味のない言葉に火がついて広まって手の施しようも無くなって もっと
思い通りにならなくてすでに Out of control
I don’t understand don’t understand
じっとしていても僕に 質問が続いて まるで
終わりは無いように思えて 一方だけで広まった
日常はなく 突然ひっくり返って 全てがひっくり返って
一線を越えたんだよ もしかしたら Destiny
I won’t stop Mixed Up また始まった
世界が突然バンとひっくり返って
Mixed Up あの子がその子なのかと
みんながぼくの話だけをして そうだ ぼくだと
思わず主人公になったゴシップ ゴシップ
Mixed Upぼくを放っておいて 一日中Mixed Up Mixed Up Oh Oh
くらくらする
隠れても うるさくて騒々しくて いくら隠れても
いつも話題の中心に立っている僕
突然 世の中でいちばん特別な人間に
僕は息さえしても目がくらむようで
隠れてもうるさく騒々しくて 全てが僕のせいだ
また 話題の中心になっている僕
そうだ 僕は世界で最も特別な人間だ
Mixed Up また楽しんで見てる
世界が突然 バンとひっくり返って
Mixed Up  あの子がその子なのかと
見せてあげる ちゃんと見て これが僕だと
思わず主人公になったゴシップ ゴシップ
Mixed Up 僕を放っておいて
一日中 Mixed Up Mixed Up Oh Oh

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