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河野俊嗣宮崎県知事の2ヶ月無給条例案の法的根拠が未だにわからないので、すんなり県議会を通過した後で「条例無効」の審査を申し立てる方法を調べてみる、という話。(やらんけど)

先日、河野俊嗣宮崎県知事の自己処分の件で県知事が自身の懲戒事由について、自分で処分内容を決めて良い法的根拠を調べてみたけど、よくわからなかった ということを書きました。

その後も、暇つぶしに、法律の条文や宮崎県のホームページなどをみて、それに該当するものがあるのかということも時々見てみたりもするんですが、やっぱりよく分かりません。

県議会が県知事などの特別職の報酬などを決めることは、別に問題はないとは思いますが、懲罰的な意味を含んだ減額を決めて良い感じではない気がします。(だめとも書いていませんが。)

他県の場合、特別職の報酬も「報酬等審議会」という第三者を通して決まることがほとんどのようですが。例えば大阪市では以下のようなダブルチェック方式などが議論されています。

【資料番号4】特別職の報酬等の決定の仕組み (osaka.lg.jp)

そもそも、県知事とか特別職の職員と言うのは、それなりに責任の重い仕事ですから、それなりに高額な給料でも然るべき職務で、職務で問題をおこしたからちょっと減給しましょう、というのはあまり法律の発想としてないわけで、「減給」と「懲戒事由があるか」と言うのは分けて考えるべきなのではないか、と個人的には考えます。

コロナの時期には宮崎県民の平均所得も下がったので、それに寄り添い、県知事も県議会議員も相当な減額をしました、とか言うのであれば「いい政治家だな」と思ったかもしれませんが、その時期にはちゃっかり給料は満額もらっといて、今回のような全国的に恥を晒すようなミスしたときだけ、しおらしいふりをして謝って、「2ヶ月カットします」では何だそれ、という印象を持ちます。そういう決め方をするものではないはずです。

たまたま県知事として選ばれてしまった人が、「その給料をもらうにふさわしくない行為をする人物」であったとして、それで減給してしまうと、次にそれにふさわしい人が現れた場合に、その人の給料にまで影響してしまうわけですから、それも県民としては避けなければなりません。知事職がもともと金持ちじゃないとできない仕事にしてしまってはなりませんし。

さて、県知事の「懲戒」レベルの事案についてです。

先日の記事でも引用したように、地方自治法施行規程には以下のようなことが定められています。

第十二条 都道府県の専門委員は、次に掲げる事由があつた場合には、懲戒の処分を受ける。
 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つたとき。
 職務の内外を問わず公職上の信用を失うべき行為があつたとき。
 懲戒の処分は、免職、五百円以下の過怠金及び譴けん責とする。
 免職及び過怠金の処分は、都道府県職員委員会の議決を経なければならない。

地方自治法施行規程
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322CO0000000019

これは知事に適用されるわけではないようですが、副知事やその他の専門委員には適用されている例もあるようです。そのクラスの人物が今回と同様な事案を引き起こしたとして、それが譴責や都道府県職員委員会の審議によって「500円以下の過怠金」で済むレベルのことである、と確定するのであれば、それで法的根拠としてはクリアだとは思います。

でも、これだけ全国に非難されるような「職務の内外を問わず公職上の信用を失うべき行為」をしておいて、「500円の過怠金」以下で済むのかな、副知事がもしこれをやっていたとしたら、免職は間違いないんじゃないの?ということは強く思います。

それなのに、それ以上の規律が求められる県知事だけは、都道府県職員委員会のようなものの審査を経ることなく、「給料減らしまーす、ごめーんね、テヘペロ」ではいかんでしょ、と思います。

いくら田舎議会だからといって、法的根拠の妥当性がないものを数の論理で押し切るということがあってはなりませんし、県議会も最低限法的根拠を明確に県民に説明して審理するくらいの矜持はあるでしょう、と信じてはいます。

ですが、それが不明なまま通ってしまいそうなのが今の宮崎県クオリティです。県議会にその条例案が提出されたらすんなり通ってそれで終わりになりそうな気もしますw 

なので、結局法的根拠がわからずじまいで、それに不服がある場合にどういう申立ができるかを、一応調べてみようかと思います。私は単なるウォッチャーですからやりませんが。

今現在、法的な根拠が不明な内容で、申立をするとすれば、

  1. 県知事自身が起こした問題を自分で処分するということの法的根拠が不明で、第三者の判断が必要ではないか?今回のような問題を副知事や専門委員など知事以外の特別職が起こしていたとして、地方自治法施行規程が定める都道府県職員委員会はどういう判断を下すのか?それに準じるべきものではないのか?

  2. 現在の日本の労働法制において、1事由について2支払期間以上の懲罰というのは認められていないし、どういう労働者でも本人の合意がある時でさえこの処分は無効なものではないか?

  3. 公職者であるので、数百万単位の給料を受け取らないというのは、公職選挙法がどんな理由であれ禁止している「選挙区内への寄附(宣伝)行為」に該当して違法行為となる可能性が高いのではないか?

というところでしょうか。このあたりのクリアになれば個人的には仕方ないけど法的根拠としては納得します。

いろいろな検索ワードで調べてみましたが、最近は行政に対する不服がある場合には「行政不服審査制度」というものに集約されているようです。

一応、宮崎県のホームページにも説明が載っています。

ただこれ、審査請求先が県知事宛なんですよねぇ。

「県知事が起こした問題」に関して、「県知事が勝手に減給による量刑を決めた条例の是非」を審査請求をする先が結局「県知事」宛になってしまうという、不条理。なんだか法律の建付けがおかしい気がしますね。でも、これが審査請求先が総務省になったところで、旧自治省出身の役人が県知事をやっている限りはあまり改善はしなさそうですが。

とりあえず、宮崎県に行政不服審査請求を行って、宮崎県行政不服審査会の方にに諮問されれば、弁護士の方や大学の法学の専門家が調べてくれそうですから、そのあたりはクリアにしてくれそうです。

審査請求自体を県が門前払いするようなことがあれば、裁判所へと言うかたちでしょうかね。

わざわざ県民がそんな事しなくても良いような法的根拠の解決を望みますが。


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