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農業の担い手確保のため、新規就農者のためのハウス団地が西都市に整備。あまり良い事業とは評価しにくいな、という話。

宮崎県の地元民放テレビ局で、宮崎県西都市に新規就農者のためのハウス団地が整備された、というニュースが流れていました。

NHK宮崎のニュースを確認してみましたが、このニュースは取り上げられていませんでした。

なんというか、宮崎の民放テレビ局は、ほとんどJA宮崎を礼賛するための広報みたいな感じでさえあります。

農業の担い手確保につなげようと、宮崎県西都市に新規就農者のためのハウス団地が整備されました。

ハウス団地は、安心して就農できる環境を整え担い手確保につなげようと、JAみやざき西都地区本部と西都市が、総事業費1億4000万円余りをかけて市内に整備したものです。

MRTのニュースから引用

このハウス団地は、農業の担い手不足を解消し、定住につなげようと、JAと西都市が国の補助を活用して整備したものです。

個人でハウスを建てる場合、約3000万円必要ですが、ハウス団地はJAが最長20年間リースし、就農者の費用負担は半分程度になります。

今回は、福岡や岐阜県などから移住した4組7人が就農。7月からこのハウス団地でピーマンを育てます。

UMKのニュースから引用

この4月に入ってから県域JAの発足に際して、個人的には以下のような記事を書きました。

県域JA誕生。農業の生産性の低さについては、聖域にせず議論すべきなんじゃないかな、と思う件。|宮崎県政ウォッチ (note.com)

「JA宮崎組合員一人あたりの生産額」を各国の「一人当たりのGDP」と比較してみたら、むしろ発展途上国だった件。|宮崎県政ウォッチ (note.com)

上記記事内でも書いた通り、県内の農業の一人あたりの労働生産性の低さや、他国と比べてもあまりに突出した日本の農業への補助率の高さは問題だ、と特に最近は強く思っています。

この事業にしても、4組7人の移住のために、1億4千万円かかっていて、本人負担は半分程度ということは、それ以外は補助ということです。一人当たり1000万円、合計7000万円が初期費用として何らかの補助によって賄われる事業なわけです。

農業ですからそれ以後のランニングコストも何かと補助が入ることになるでしょう。

これだけ投下した資本に対してどれほどの収益性があるのでしょう?収益性が高くて儲かるのであれば、県民所得の低い宮崎県内の人材が手を挙げるでしょう。

あるいは食料の安定供給等ための「公共性がある事業」としての補助をすることへの妥当性が本当にあるのか、という部分において、個人的には疑問だなとおもいます。

何か農業でなにかやるときに、「常に半分は補助される」というような感覚であるならば、人口減少も明らかに進展し、金融緩和的な状況も明確に終わり様々なものへの引き締めが入るであろう社会状況の中で、やはり改めるべき考え方なのではないかと思います。

地元民放メディアは素晴らしい事業のようなトーンで紹介していますが、個人的にはあまり良い事業とは評価しにくいですね。

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