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宮崎市のリゾート施設「シーガイア」を セガサミーHDが米投資会社「フォートレス」に売却へ

5月10日の宮崎県内の地元メディアは、フェニックスリゾートの売却のニュースを大きく伝えています。

セガサミーによりますと保有するフェニックスリゾートのすべての株式をアメリカの投資ファンド、「フォートレス・インベストメント・グループ」の関係会社に売却することを10日、取締役会で決議したということです。

売却は今月末に完了する予定で、特別利益としておよそ85億円を今年度の決算に計上する見込みです。

シーガイアは2001年に経営破たんしたあと海外の投資会社のもとで事業を続け、2012年からセガサミーの完全子会社となっていました。

売却先のフォートレスは2011年以降、日本国内で176棟のホテルを取得していて、実績のある投資ファンドのもと今の従業員の雇用を守りながら、施設の稼働率の改善や利用者層の拡大を目指します。

セガサミーは株式の売却後、新たに一部の株式を取得して関係を維持する一方、経営資源を主力のゲーム事業などに集中する狙いです。

NHKのニュースから引用

フォートレスは、ホテル・リゾート事業に豊富な経験があり、2011年以降国内176棟のホテルを取得し、近年はかんぽの宿や熱海の老舗ホテルなど地域に根差したホテル事業の経営にも参画しています。

セガサミーによりますと、今回の譲渡はフォートレス側から提案があったもので、フォートレスは従業員の雇用を守る意向を示しているということです。

UMKのニュースから引用

昨年の5月には13年ぶりの黒字決算だったというニュースが流れた際、個人的には「統合型リゾートの話もほぼ立ち消えになったのに、セガサミーが持ち続ける意味があるのかな」と思っていました。

「フォートレス側から提案があった」「今後も議決権の20%を取得する」ということですから、セガサミーも「お荷物事業をどこでもいいから叩き売りたい」、という感じでもなかったようですね。

アメリカの企業からしたら、円安が進行中でそろそろ米国金利の利下げ&円の利上げもありそうですし、円安も今のタイミングが買うにはベストなタイミングとふんだいうことでしょうか。

セガサミーホールディングスでは、株式譲渡後もフォートレス・インベストメント・グループが新たに発行する種類株を取得して2割の議決権を持ち、フェニックスリゾートの企業価値向上を支援するということです。

NHKのニュースから引用

売る側が議決権のない優先配当株式を取得するみたいな話はよく聞きますけど、議決権を2割残す種類株ってどういう感じなんでしょうね。重要議決への拒否権もありませんし。普通株より配当割合が多いんでしょうか。あるいは、フォートレスが増資をしても議決権だけは20%で希薄化しない感じですかね。

あんまり深く調べる気もしませんが、議決権2割でギリギリ持分法適用会社になるようですから、そのあたりを意識した感じでしょうかね。

セガサミーホールディングスの里見治紀社長グループCEOは10日の決算説明会で今回の売却について、「2期連続の黒字となり、社員へのボーナスを支給できるようになるなどリゾートとしての再生が終わったタイミングだった。我々にとっては投資を回収する段階だったが、提案を受けたファンドはさらに投資を行い、従業員の雇用も引き続き守るということだったので、ノウハウもあるオーナーに引き継いだ方がリゾートの価値を高めてくれると考えた。運営会社を売却したいとは思っていなかったが、提案を受けて議論した結果だ」と述べました。

NHKのニュースから引用

言葉通りに受け止めれば、宮崎に取ってはありがたい話です。

フォートレス・インベストメント・グループ: Fortress Investment Group LLC)は、アメリカの投資運用会社。バイアウト・ファンドビジネスを中心に、経営破綻懸念のある企業の株式や債券などに投資するディストレス投資を主軸とする。

Wikipedia から引用 

ただ、フォートレスも米国の投資会社ですから、何か旨味を感じなければこういった提案もしないでしょうし、県が足元を見られてなにがしかの法外な長期の契約を押し付けられて、それによってまんまとさらにあっさり売却されるようなことにはならないようにしてほしいものです。隣に作った高級なトレーニングセンターなどはすでにそういう感じですし 、「スポーツ振興」なんて名目で公金をいっぱい突っ込むなよ、とは思います。


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