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未来の生理について話そう!イベントレポ

こんにちは。県北の福祉をPUSHする、宮崎ソーシャルフェスの山中です。
今日は2021年8月22日にオンラインで開催した、「未来の生理について話そう!」イベントレポートをお届けします!

こちらのイベント、事の発端は延岡市駅前複合施設エンクロスの2階で、「フェムテック」の企画展示をされていたのを発見したこと。

フェムテック(FemTech)
女性(Female)と技術(Technology)をかけあわせた造語。技術を用いて、女性特有の健康などの課題を解決する商品やサービス

エンクロスさんの展示は下記の感じで、生理用の吸水ショーツや膣ケア商品などが展示販売されていたり、フェミニズムの本が並んでいました。本もなかなかマニアックなチョイス。気になりすぎて、担当がどなたなのか教えてもらいました。

こちらが展示と、担当の福田木綿さん(右)

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以前にランジェリーショップで働いていたことがあり、いろんなお客様と下着や生理について日常的にお話をされていたそうです。なので、フェムテックの企画案が蔦屋書店の本部から来たときに、抵抗なく、自分なりの研究とアレンジを加えて企画展示をされたとか。なるほど。

話は盛り上がり、ぜひエンクロスさんと生理のイベントをやりましょう!という話になりました。
実はうちのソーシャルフェスの代表原田も、生理には並々ならぬ思い入れがあり、あれよあれよと言う間に企画がつまり、開催が決定。遠くは関西からも参加してくれる、20代から60代の方にご参加いただく満員御礼イベントになりました。

1.「生理」にこだわる理由。みんなの生理のイメージとは?

イベント冒頭に、福田さん、原田、そしてモデレーターを務めた私の自己紹介をしました。
福田さんからは、エンクロスのフェムテックの展示をした理由として、「女性が自由に表現できる社会がつくられつつありますよ、という紹介をしたかった」とお話されました。

原田は、最近ようやく社会課題として取り上げられるようになった「生理の貧困」の当事者です。幼い頃の家庭構成・環境などにより、生理用品が十分に手に入らず、生理のときはいつも緊張して過ごしていた、といいます。学校の保健室にいったら生理用品はもらえますが、「困っていると思われたくない」「借りたら返さないといけない」という思いやルールから、あまり行けなかったといいます。なので、相対的貧困世帯が増えている日本で、子どもたちがつらい思い、恥ずかしい思いをしなくて済むよう、学校のすべてのトイレに生理用品を置きたいと、「ハウリング」という団体を立ち上げ、活動をしています。


そして、わたし山中は、2020年に京都から宮崎県延岡市に引っ越してきました。ビジネスで社会課題を解決する「ソーシャルビジネス」の伴走支援や、U35nobeoka未来会議の企画・運営をしています。


次に、参加者のみなさんに、生理の歌をBGMに、紙とペンで、生理のイメージを書いてもらいました。

その後、登壇者と手を挙げてくださった参加者がみんなに共有。
「ワニ」、「憎い奴」、「面倒くさい・不便・心配」というイメージもありました。他にも「出産で陣痛が来て初めて、自分の生理は陣痛ほど痛かったと気づいた」、生理が終わった方からは「開放感でいっぱい」というコメントも。
私は「通り雨」のようなものだとイラストで書きました。やっぱり概ね、ネガティブですよね。

2.フェムテック商品紹介と、世界各国の「生理事情」

福田さんから、エンクロスで展示をされていたフェミテック商品の紹介をしていただきました。
なんと言っても目玉は最近話題の吸水ショーツ。なるほど、見た目は普通のパンツです。実物も見ましたが、あて布部分もそんなに分厚いわけではなく、これで本当に安心なの?と半信半疑の私に、福田さんからは「4枚構造になっていて、ナプキン2枚から4枚分の吸収力(ナプキン1枚あたり5ミリ吸収)がある」「使ってみて、すごいラクでした」ときっぱり。生理二日目にナイト用を履いて仕事をしたけど問題なかったとのこと。まじでイノベーションです。テクノロジー万歳。価格は5000円ちょっと。ナプキン数ヶ月分で元がとれますね。

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通気性もよく、尿とりパットとしても使えますし、暑い日に汗も吸い取ってくれます。ボクサータイプもあり、かわいいデザインがダメという人も使えます。ざっと水洗いしたのち、普通に洗濯機で洗えばOK。

ほかにも、膣ケアのジェルやムースも紹介。柔らかいテクスチュアで、夏のかゆみなどに効果的だそう。膣内のpHを整え、痒みや炎症だけでなく、年齢が上がっておこる膣の乾燥などにも対応。パッケージもオシャレですよね。

他にも、サステナブル素材のバンブーやトウモロコシをつかって作られたパンティライナーも紹介いただきました。

続いて、「私の推し生理用品」として各登壇者から熱いプレゼンです。
低用量ピル、黄体ホルモンの服用、シンクロフィット、布ナプキン、月経カップなどなど、いろんな選択肢を紹介しました。

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3.世界中で生理はタブー!?

イベント中盤では、原田から、ヨーロッパからアジア、中南米の過去から現代まで、生理がどのように扱われてきたか紹介がありました。

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生理中の女性が触れた花はしなびるとか、火事になるとか、血の池地獄に落ちるとか、ほんと散々な扱われ方です。生理は穢れであるという理由で、家の中や外に作られた「隔離部屋」で生理期間を過ごす国が現在でもあります。禁忌を表すタブーという言葉は、月経が語源だとか。

え、世界の半分の女性にほぼ訪れる生理なのに、それをタブーとか言われるとまじ困る…。

大体、女の股から血まみれて出てきたくせに、大人になったらすっかり忘れて「生理は穢れだ」とか、ホントちゃんちゃらおかしいって感じなのですよ。
まぁ、女性の出産や生理などの生殖に関わることなどをタブー視することで、女性(そして生殖)をコントロールする手段として扱われてきたのだなと思います。
ただでさえ、生理なんて股から血を出してお腹も痛くてしんどいのに、大事に扱うどころかタブー扱い。「優しくしてくれ!!」と九州の中心から叫びたい。

引き続き、原田から、子どもに生理をどう伝えるか、という話がありました。
参加者からも事前に悩みとして頂いていた声でもあります。
生理や性教育にまつわる本を、トイレやリビングの本棚など、子どもがすぐに手に取れるところに置いておくという方法が紹介されました。また、教科書的なものだけではなく、イラストが沢山ある子どもが読みやすい本、男子向けの本、コミックエッセイ、性教育のYou Tubeや企業のサイトなど多種に渡り、性について科学的に学び、自分の身体をきちんと理解して、他者を大切にできる為のものが沢山あります。

こちらのリンク先に、性教育本のリストがあります。エンクロスで展示されていたフェミニズム本もリストにありますので、ご関心のある方はぜひチェック下さい。


また、子どもが小さい頃はトイレについてきたり、お風呂に一緒に入ると思いますが、そのときに生理ということを隠さない、というやり方もあるとのこと。
PMSなどについても話せるといいですね。生理ナプキンのお使いをパートナーや子どもに頼むのもいいかもしれません。
特別なことではなく、「昔からママにきてたやつだ」と自然に受け止めてもらう工夫が他にもたくさんありそうです。

最近はスポーツ界やアイドルの世界で、監督やマネージャーがプレイヤーの月経を把握してケアするのがスタンダードになっているそうです。月経をちゃんと理解してあげたほうがパフォーマンスが上がるということです!時代も変わってますね。

4.待ってました!参加者同士のおしゃべりタイム!

後半は、小グループに分かれ、ご参加頂いた皆さん、登壇者、ソーシャルフェスのメンバーがごちゃまぜになって、感想や生理についてお話しました。
私は残念ながらホストでグループに入る方法がわからず、ぼっちだったのですが、終わって戻ってきた時の皆さんの楽しそうな表情と、「あの時間がめっちゃ良かった」という感想を沢山聞いたので、きっとガールズトークが炸裂していたのだと思います。入りたかった。

というわけで、宴もたけなわ。1時間半のイベントもあっという間に終盤に。最後は、イベント冒頭に書いた「生理のイメージ」を再度書いていただき、感想をシェアしました。
「こんなに生理について大勢で話したことはなかった。ひとりじゃないと思った」、「選択肢と安心材料が増えた」、などの意見をいただきました。
私は冒頭に書いた通り雨のイラストに他の人を書き足しました。一人で通り雨を過ごしている気分だったけど、仲間がたくさんいるんだってことに気づいたからです。「風流ですね」と褒められたのでぼっちで傷んだ気分が癒やされました。笑

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最後に福田さんより、

「企画をする上で、そもそもフェミニズムってなんだと考えだした。お互いがお互いを理解する。LGBTQの方もいる。まず話してみるという環境をつくるのが大事。生理はその中のたった1このこと。」

と象徴的な言葉をいただきました。

以上、イベントのレポートでした!ご参加いただきましたみなさま、情報発信にご協力いただきました夕刊デイリーさんなどのみなさま、誠にありがとうございました。

5.反省点と参加者からの感想

反省点として、女性の身体で性自認が男性の方についての配慮が足りなかったことがあります。イベントの参加要件に「女性の方」としか書いてませんでした。イベントに男性にも参加してもらうかどうかの議論は内部で行い、今回は初回だし、参加者に安心して場を楽しんでもらうためにも、女性限定にしよう、というところまでは良かったのですが、トランスセクシャル、ジェンダーの方に対する配慮が足りませんでした。気分の悪い思いをしてしまった方、本当にごめんなさい。今後気をつけます。

事後アンケートでは、「気軽になった」「技術は自由を生み出すなと思った」など感想をいただき、エンクロスさんの企画展示の売上が伸びた、というお話を小耳に挟んだり、「生理用品を学校に置きたい!」という原田の叫び(ハウリング)が届き、「学校の先生やPTAを紹介してあげるよ」、と参加者の方からお声がけいただくことがありました。
皆様、本当にありがとうございます。


第二弾を待っています!という声も複数いただき、ぜひまたやりたいなぁと思っています。

さて、次回、宮崎ソーシャルフェスのイベントは、第二回宮崎ソーシャルドリンクス。ゲストは山下新店街で「今山こども食堂」を運営しておられる峰田知恵子さんをお招きして10月9日(土)19時半から開催が決まりました。

宮崎ソーシャルフェス、2021年6月に勢いだけはある女達が集まってスタートしましたが、ソーシャルドリンクス、生理イベント、そして最近立ち上がったNPOのファンドレイジング(寄付や助成金など資金獲得)を考える部活など、いい感じに盛り上がって来ました。
今後取り上げてほしいイベントや、テーマなどございましたらぜひFBやインスタにコメント、DM下さい。

では、最後までお読みいただきありがとうございました!

チャオ!


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