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転勤は無くなるのか

私には転勤の経験がありません。大卒で証券会社に就職し、子会社の経済調査部に配属されました。

しかし、入社4年目で親会社が倒産し、職を失います。

それ以来、様々な会社に就職してきました。結果的に、当初の配属先の肩書きであるエコノミストという職業を何度も選択し、現在に至ります。

当初から、エコノミストという職種を希望していたわけではありません。新卒はみな営業職だと言われて採用されました。経済調査への配属も、入社4年目の解雇も、全くの想定外でした。

エコノミストのような専門職にも、転勤はあります。海外拠点に赴任したり、国内でも各地域の財界活動を支援するべく転勤するケースなどです。他社への出向・転籍を命じられ、そこでエコノミストを続けるケースもあります。

私は「転勤」を命じられる前に、たまたま「転職」を選択してきたのだと思います。もしかしたら、私も転勤を命じられていたかもしれません。

もし会社から「転勤」を命じられても、それが「転職」という選択肢よりも良いと判断すれば、会社の命令に従ったでしょう。「転職」ができない場合も「転勤」するしかありませんが、それでも「失業」するわけではありません。

職種や業種によって、転勤の必要性や合理性などは全く異なります。世の中から、転勤がなくなる事はないでしょう。

ただ、「転職」という選択肢が、より多くの職種で現実味を帯びてくれば、会社が職員に「転勤」を打診する際に、「転勤」後の処遇が改善される余地が出てくるように思います。

一方、リストラ同然に理不尽な「転勤」を命じられらケースは、現在も未来もなくならないと思います。それでも、会社が無くなって「転職」以外の選択肢が全くないよりはマシです。少なくとも私にはそう思えます。

最初の会社が潰れたのは1990年代の後半です。当時、大手証券会社の経営破綻は極めて珍しいケースでした。

その後、大手金融機関の経営破綻は珍しくなくなります。私の身近な知人たちも、少なからず経験しました。しかし多くの場合、その会社は何らかの形で存続します。

そんな知人たちに、私は「会社に残るという選択肢があるだけ良いじゃないか」と話しました。

私にとって「転勤」とは、選択肢の1つでしかありません。選択肢が与えられている事は、恵まれているとすら私は思います。

#転勤は無くなるのか


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