マガジンのカバー画像

三宅陽一郎 短編小説集

18
書きためた短編集です。よろしくご覧ください。 ご共有もご自由に、拡散してください。
運営しているクリエイター

2015年5月の記事一覧

『ロボット』 (小説)

「心の底にぽっかり穴が開いている気がするのです。

 それは私がロボットだからだと思います。

 だから私は幸せになれないのです。」

と僕の目の前のロボットは言った。

「だから私の心は何を入れても、その底から流れ出てしまって、

 私が満たされるということはないのです。それは私が、

 壊れたロボットからだと思います。」

「君は正常なロボットだよ。ロボット工学の第一人者である僕が

 言うか

もっとみる