「東京恋物語」第八話:見えない傷跡
エスプリグループの旗艦店であるアポロンで、初出勤というデビュー当日を無事にを終えた祐太郎は、担当する数人の女性からアフターへと誘いを受けていた。しかし、祐太郎は、それらの誘いを程よく断って、橘新之助のグループが高級焼肉店でアフターをするという誘いを選んだのだった。それはもちろん、情報収集のためである。そして、小一時間ほど食事をして大久保の自宅へ戻った時、時計の針は既に午前二時をまわっていた。
ほとんどシラフの状態だった祐太郎は、奈々子がすでに眠っていることを考えて自宅のドアを