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病院空爆というイスラエル軍の戦争犯罪はまったく容認できない

平和こそが 戦争犯罪人を膝まずかせ
自白するように 余儀なくさせる
そして犠牲者たちとともに 叫ぶのだ
戦争をやめろ   
 ―ルイ・アラゴン(フランスの作家・詩人:1897~1982年)「平和の歌」より

http://oshimahakkou.blog44.fc2.com/blog-entry-1617.html

 17日、ガザの武装勢力ハマスとイスラエル軍の戦闘で、ロイター通信はイスラエル軍が空爆によって病院を破壊し、500人ぐらいが犠牲になったと伝えた。

 1回の軍事行動でこれほど多くの人々が亡くなったことはかつてなかった。イスラエル軍は親イランの民兵組織「イスラム聖戦」が攻撃したとして関与を否定したが、パレスチナの武装組織である「イスラム聖戦」がガザの病院を攻撃する動機はまったくないし、一度の攻撃でこれほどの破壊力や犠牲をもたらすほどの火力や破壊力はとうてい持ち合わせていない。ガザではすでに3000人が死亡して、世界中から反発や非難を受けた2014年のガザ攻撃以上の犠牲がすでに出ている。イスラエル軍はガザ住民のガザ北部から南部への退避を求めたが、その南部でもエジプトに至るラファ検問所付近でイスラエル軍の爆撃で49人が死亡した。

BBCのニュースより



 イスラエル軍の空爆は武装組織ハマスや「イスラム聖戦」のせん滅を図ったものだったが、この空爆が正しくないのは武装組織とは関わりのない子供を含む多くの市民の犠牲を伴うからだ。米軍がアルカイダやISの指導者の殺害をイラクやアフガニスタンなどで主権を無視して行ったと同様に、ガザ市民たちやガザの武装組織の指導者たちは裁判にもかけられずに、イスラエル国外で殺害されている。


 1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書Ⅰ)(1977年採択)は、文民の保護について総則の第1条4項で「国際連合憲章並びに国際連合憲章による諸国間の友好関係及び協力についての国際法の諸原則に関する宣言にうたう人民の自決の権利の行使として人民が植民地支配及び外国による占領並びに人種差別体制に対して戦う武力紛争を含む。」とある。

パチンコでイスラエルに抗議する女性


 「人民の自決の権利」「植民地支配」「外国による占領」「人種差別体制」、すべて現在のイスラエルとパレスチナの関係に当てはまる。イスラエルはパレスチナ人の自決の権利を奪い、植民地支配を行い、占領を継続し、イスラエル国内や占領地で人種差別体制を敷いている。このようにパレスチナ人がロケットなどで占領と戦うことは国際法からも認められ、逆にイスラエルのガザ攻撃は国際法の観点からまったく正しくない。イスラエルが占領政策やガザへの封鎖をあらためない限り、パレスチナ人はイスラエル領内にロケットを撃ち続けることになるだろう。

パレスチナに自由を


 ハージョ・マイヤー博士(1924~2014年)はオランダの物理学者で、アウシュビッツでの収容経験があり、晩年は反シオニズム(イスラエル国家の基盤となるナショナリズム思想)の運動に従事し、イスラエルが「ホロコースト」をパレスチナ人に対する犯罪を正当化するために利用していると非難するようになった。2010年にイギリス労働党のジェレミー・コービン氏に招請された講演会では、空爆などイスラエルのガザの人々に対する扱いをホロコーストにおけるユダヤ人の大量殺害にたとえた。


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