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大雨と通信制高校

大雨の峠は過ぎたようですが、被害の状況はただただ大きくなっています。
不幸にも被害にあわれてしまった方へは、心よりお見舞い申し上げます。

さて、私の勤めている九州エリアでは、高校への進学にまだ学区制が残っている地域のため、概ねこのこの地域のこの被害なら通学できる、通学できないという判断ができます。しかし、広域で生徒が集まってくる通信制高校の場合は、片道2時間程度は通学圏内のため、学校は都心部にあったとしても、今回被害が甚大だった地域からでも、当然通学してくる生徒がいます。他多数のことを考えると、休校にせず授業を行っても良いのですが、被害地域の生徒を優先すると、もう1日待ってインフラが復旧して、通学が可能となるのを待つという選択をしました。

やや甘いような判断だったかもしれませんが、私の中では迷うことなく休校を前提に考えていました。後はオペレーションの問題なので、現場とのすり合わせだけ進めば休校という措置はそれほど混乱することなく、進めることができました。目標は13時に発表することでしたが、この時間帯が雨も上がり晴れ間も見えていたので、ここで休校としても連絡を受けた生徒の実感がわかないのでは?と思い、夜から再び雨脚が強くなるというニュースが多く出始めた15時に発表することなりました。予報通り、夕方から雨が降り始め夜中には雷も起きるほどの大雨でしたが、その時間も通り雨程度でした。ようやく雨の峠が過ぎたという安心感があった一夜でした。6~7日はこの一夜の雨が10時間続いているという感覚です。9時頃から18時頃まで昨夜一瞬降った大雨が続いている、そんな状態を思い返せばあの被害の想像が難しくないはずです。

雨はこの後から被害が出てくると経験則ですが、親や祖父母からの口伝で教えられてきました。川で遊ぶときは底が見えない場所で遊んではいけない、水は後からやってくる、後からやってきた水は恐ろしい、水で死ぬのではなく水が運んできた物にあたって死ぬなど、今でも生きてくる知識だと感じます。

そんな経験則から、さほど迷うことなく休校としました。職員には苦悩している表情を見せていましたが、心の中では決めていました。これだけの雨は雨が上がったあとからの被害も起きえること。都市部とは街が持っているスペックが違うので、ここで判断してはいけないように思っています。この休校も通信制高校だからできたことで、以前に担当していた高等専修学校では授業時間数に規則があるため、登校させる選択をしていたと思います。

教訓として、口伝ではなく記録として残しておかなければいけない3日間でした。

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