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退学と学費対する責任感の薄さについて

以前、生徒が祖母と一緒に来校された時の出来事です。
両親が離婚して、祖父母が生徒の保護者として入学されてきた方です。
奨学金の申請も行われ、学費も順調に入ってきていました。
通信制高校なので、スクーリングは必ず行っていただくのですが、その入金案内を送った数日後に来校されました。
父親からDVを受けていて、事件にまで発展している。
役所にも相談をしているが、身内のいる別の地域へ引越をすることになったので退学したいと。

それは大変なご事情ですが、退学にあたっては学費全額を入金いただくことが条件。
さらに、就学支援金や奨学金にも退学手続きが必要。
役所と相談しているのであれば、役所にその旨を相談してみて欲しいとの回答をしました。
週明けにでも連絡をいただく約束をしたのですが、届いたのは退学しますと書かれた一通のお手紙。
当然、それ以降電話がつながることはありません。

DVのお話も、引越のお話も、役所に相談しているというお話も虚実であったと思っています。
これから確認作業に入っていきますが、役所がDVから守るために学費がどうなっているのか確認して欲しいとは、まずいう事がないでしょう。
DVの相談ですぐに学費と直結することはなく、まずはシェルターなど身の安全確保からですが、堂々と日中交通機関を使って来校されましたので、今考えても不自然なことが多かったと感じています。

学費が工面できずに退学する。
保護者にあたる祖母は学費全額を払わないと退学できないと知っている。
DVで引越すると言えば、学費が免除されると思ったのでしょう。

確かに、DV被害者であれば加害者に請求することができるので、本人負担となる必要はないかと思いますし、役所や事件となり警察も動いているのであれば、今すぐではなくても解決することができれば、当然それまでの損害賠償にも発展してきます。

これから家庭訪問などを行っていきますが、残念ながら責任感のなさを感じます。
恥ずかしいとか、買ったものへの支払いとか通じない保護者が毎年必ずいます。
家庭環境の複雑さからくるものもあるのかもしれません。

今、弁護士に学費未払いの督促を数名依頼しています。
法的手続きですので、口座の差し押さえや職場への通知など文書だけで進んでいきます。
残念ながら、毎年5~10名はそのような方がいます。

通信制高校との相関関係があるとは思いませんが、ネグレクト問題は身近な所に沢山存在しています。
退学も学費も随分と簡単に考えてしまうものだなと。
それだけ日々の生活が逼迫している状況だと理解することはできますが、
目の前のことを考える人と、将来を考える人の差なんでしょうか?
学費問題はいつまでも解決しない課題です。

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