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ヨウスケ アメリカへ (その1)

断酒20年のヨウスケです。

失意の中、ウルトラ二日酔いでやってきたアメリカはカリフォルニア。1週間もするとアルコールも抜け、食欲も旺盛になり健康的になってきました。

おばさんの家は老人しか住めない一戸建ての住宅街にあり、まさに閑静な住宅街という表現がピッタリでした。  

外を散策(煙草を吸える場所を探して)いると、すぐさま

「どうされました?」

と声をかけてくるおじさんがいました。

「そこのMrs.Aさんのところの訪問者で、来たばかりなのでちょっと散策してる」という趣旨の説明をどんな言い方をしたか覚えてないが、通じたようで、

「OK、ノープロブレム。私はこの辺をパトロールしている者です。」

 と去っていきました。

 「まぁ、こんな老人ばかりの静かな住宅街で東洋人が1人ウロウロしてると不審者にしか見えんわな」

 と納得して帰りました。

 不審者に見えた理由は他にもあったことが後で分かりました。

 近くの海辺に馬が放してあるちょっとした牧場があり、そこにおばさんの友達に連れて行ってもらった時に

「その格好はどうにかした方がいいよ。ヒッピーにしか見えない」

 と注意されました。

ちなみにその時の服装は、膝の抜けたリーバイス501にヘインズの白Tシャツ、その上にブルーのダンガリーシャツをラフに羽織るという、私の思うところのアメリカンスタイルでキメてきたつもりだったのですが(苦笑)。

 次の日にスーパーに連れて行かれてジーンズとスニーカーを半強制的に新調させられました。

 ジーンズはリーバイス505が25ドル(安っ)、日本では見たことがないリッデルとかいうメーカーのスニーカーが20ドル位で売っていたのでそれを買いました。

 とりあえずこれなら普通の旅行者に見えるようです。

 観光もあちこち連れて行ってもらいました。定番のディズニーランド、ナッツべリーファーム、レッドウッドパークなど。

観光を楽しめる心境でなく、落ち着きなく煙草を吸える場所ばかり探していたように思え、今考えるともったいなく残念なことです。

 3週間目におばさんの息子さん夫婦の家に預けられることとなりました。

 息子さんの家は山ひとつ丸々自分の土地で山の上に家があります。パソコンを使ってなにやらやっていて、中古車販売か何かの仕事をしていたようでした。

 庭にはバスケットゴール、プールがあり、そして、人懐っこいラブラドールレトリバー、何匹かの猫達に囲まれた楽園のような場所でした。

 アメリカに来て3週間目、まだアルコールは口にしてません。

不思議なことに飲酒欲求は出てきません。

 大好きな動物達に囲まれ、バスケットボールをラブラドールレトリバーと一緒に楽しみ、汗をかいたらプールに飛び込む。窓の外にはハミングバード(ハチドリ)が飛んできます。

気温は38℃くらいまで上がりますが、湿度が低いので不快感はありません。

 夜に見上げる星空は周囲に光も無く本当に美しい。見える星座が日本のそれと変わらないのは緯度がそんなに変わらないので当たり前ですが、それがちょっと残念でした。

 アルコールの無い健全な生活。

 贅沢で理想的な日々でした。

その後ネバダ州のリノに連れて行ってもらいました。

 そう、リノといえば…カジノです。

 泊まっていたホテルの1階がカジノフロアになっていました。息子さん夫婦との3人で泊まりますが、ホテルではそれぞれ別行動。行く前におばさんから「Good Luck!」と軍資金で100ドル札1枚を頂いている。

 よく分からんのでスロットゲーム。
いろんなレートがあるようだが、1番安い25セントのスロットゲームで。

 日本のパチスロと違って勝手に止まってくれるので、あっという間にお金が減っていく...。

 1日目は惨敗...。

 2日目は息子さんに近くで開催している車の展示会に連れて行かれる。おそらく仕事と関係があったのかもしれません。子供の頃に憧れたスーパーカーがたくさんあり、ちょっとワクワク。

 ホテルに戻り昨日のスロットゲームでリベンジ。昨日から総額100ドルほど突っ込んだところで、なんか揃ってる。揃った絵柄を確認したら表の1番上にある絵柄...。

  「当たった」

 払い出しが止まらない。現金の25セント硬貨がジャラジャラ出てる。ポップコーンの入れ物みたいなカップが25セント硬貨でどんどん埋まっていく…。

 「これいくら出るんやろ?」

ワクワクしながらと、ちょっとビビりながらゲームを消化する。突然賑やかだった画面がピターっと静かになる。

 終了~。

 鉄柵で囲まれたイカつい黒人の警備員が立っている両替所に行き、札に替えてもらう。

 総額250ドルほど。

 150ドルほどの勝ちとなりました。

 今は知りませんが、当時アメリカで煙草を吸っていると見知らぬ人が寄ってきます。何言ってるのか分からなくても

「煙草1本くれ」

 って言ってるのは分かります。
1本あげてライターもと思ったらライターは自分で持ってます。

 ちゃっかりしてやがる(笑)

1回でアメリカ編を終わらそうと思いましたが、やはり無理でした。

こちらも次回に続きます。
                 
        「ヨウスケ アメリカへ(その2)」に続く。
   

 


 

 

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