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吉井さんが描く新しい時代の監督 2023.10.14CSパ1stステージ ロッテVSソフトバンク第1戦

6回表、ソフトバンク柳田の2ランで追い上げムード。
試合の流れは混とんとしてきた。
6回裏のロッテの攻撃が、ターニングポイントとなる。

吉井監督が手を打つ。
角中に代打・岡大海。
センター前にしぶとく打ち返す。
続くポランコも気持ちでもってくセンター前。

ノーアウト1・2塁で安田尚憲。
サインはバント。
当然だ、1点をもぎ取らなければならないこの局面、短期決戦ではこういうところの流れが勝敗を決める。

え、安田、バントしたことないんか。
なんだこの不安げな構えは。

初球、ファースト中村が猛然プレッシング。
びびったか、ストライクを見逃す。
え、ストライクやで、バントせんのかーい!

2球目、こりゃ3塁側にバントするしかない。
3塁側を狙ったそぶりはわかる、わかるけど、かする気配もなく空振りかーい!
2塁ランナー岡、慌てて戻る、ふう、よく戻れた。

こりゃ、3バントはないな。
絶対、成功せん。
ちゅうか、安田はベンチに帰ったら、吉井さん大激怒ものだな。

もう打つしかない。
キャッチャー甲斐は、様子見に外すボールの構え。
ああ、中に入った。

安田がめちゃくちゃ気持ちのよいスイング。
ボールはぐんぐん伸びて右中間を割る。
2ベースヒット。

吉井監督、両手を合わせえてごめんなさいのポーズ。
安田、バントのサインなんか出して申し訳ない。
信じる気持ちが足りなくてごめんなさい。
って言ってるような表情。

えええええええ。
おっさん世代としては、信じられない出来事が、目の前で起きている。
監督ってのは、絶対的存在。
たとえ、黒でも、監督が白と言ったら白なのだ。

ましてや、この場面で送りバントは1000%正解。
送れなかった安田が1000パーセント悪いのだ。
ベンチに帰ってから、制裁もんである。
結果オーライなんて、存在しないのだ。

スタジアムがどっとわく。
吉井監督のこのポーズが、ビジョンに映し出されたのだ。
スタジアム全体が、さらに盛り上がる。

そういえば、吉井監督は腕組みをしないという。
腕組みは威圧感があり選手が話しかけにくくなるからという理由らしい。

これが吉井理人という人間。
CSという緊張感しかない試合。
そして、ぎりぎりの切羽詰まった場面。

こんなことできる監督はいない。
見たことない。
監督失格、そんな評価を下す人もいるかもしれない。

でも、監督の仕事は、チームマネジメント。
ごめんなさいポーズでチームがパワーを発揮し、選手が生き生きと活躍できるなら、それが正解。
でも誰がやっても正解というものでもないが。

まぎれもなく、吉井監督は、これまでのプロ野球監督像をぶちこわすパイオニアである。
ベンチで苦虫かみつぶした表情で腕組みしてる旧態依然の監督とは違う。

吉井監督が描く、新しい時代の監督。
千葉ロッテマリーンズの未来だ。

さあ、いよいよ第2戦、このまま勝ち上がろうぜ!!
そして、チャンピオンフラッグを掴もうぜ!!


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