日々のこと 10後-11前

10月〇日
時間ないけど昼食をとりたくて、サッと食べられる店に行くため雑踏を早歩きしていたら、客引きのお姉さんに声をかけられる。メニュー看板もわりと良さげ。一瞬迷い、賭けてみることに。新しい店でお客も少なく、素早く出てきた「白いキーマカレー」が美味しかった。店も知れてお姉さんにも感謝された。ツイてる。

10月〇日
取材。松尾スズキ監督。大橋仁さんの写真集「そこにすわろうとおもう」を見たことあるかどうか聞きたかったのだけど、聞きそびれて心残り。すぐ起こして原稿。

10月〇日
美容院へ。こまめに長く通っている店で、美容師のお兄さんが「似合いそうな新しい技術を導入したよ！」とか、よく提案してくれる。「気分を変えたいから今日は好きにして」と言ったら、わりと思い切った髪型にしてくれた。ちょっとドキドキしながら帰る。誰か気づくかな。

10月〇日
入稿。毎月毎月、どんなに果てしないゴールに見えても、ちゃんと全てが終わるのが不思議。翌週も別媒体の入稿。

10月〇日
松尾さんのトリエンナーレ作品をスコーレの出口付近の席で見ていたら、途中入場のお客さんが暗がりで立ち尽くしている。よく見たら松本亀吉さんだったので、隣に招く。大阪ベアーズぶり。私が最近猫を飼い始めた話を松本さんは覚えていてくれて、映画の後でその続きなどを話す。流石。この人も猫プロ。

10月〇日
取材はしご。このところ取材多し。寡黙な映画を撮る監督がすんごい喋る人だったり、色々。
新作の取材で来た白石和彌監督が「前作上映中の劇場で舞台挨拶したい！」ということで、みんなで移動。配給も宣伝も違う会社がそれぞれ互いの白石映画を応援し合っていた。楽しい光景。

11月〇日
早朝、地下街のドトールに入ったら、やたら暗い。薄明りの中でお客がコーヒーを飲んでいる。レジに並ぶと「ブレイカーが突然落ちました。レジが使えないので、スミマセン！」と店員。「こんなの初めて～」と焦っていて、仕方なく諦める。それにしても、みんな暗がりで何事もなかったように静かにお茶を飲んでいた。世界が終わる瞬間でも同じ光景だと思う。私もそうしたい。

11月〇日
ベトナム人の監督に取材のため、アオザイの勉強。アオザイには強い憧れがあり、いつか本国に行ったらオーダーメイドで作りたいと思う。香港でチャイナドレスも作りたい。きっと似合うよと言われたので、その気になっている。

11月〇日
いつか乗ると心に決めているバイクが、近所の駐車場にときどき停まっている。帰り道いつも眺めている。持ち主はどんな人か想像して「そのうち会えるかな、キモがられるかな」と考えていたのだが、角を曲がったらまさにそのバイクに乗ろうとする人がいた。息を飲む。どうしようか迷ったが、声はかけなかった。ストーカーみたいで怖いよね。でもまた眺めます。

11月〇日
ローソンの「ホボクリム」という新発売スイーツにハマる。「超薄皮、ほぼほぼクリームなシュー」てことで、ずっしり重い。あと、新しいといえばスパイスカレーの新しい店がオープンしたので機会を狙っている。先日は間に合わなかった。必ず行くぞ。

11月〇日
映画のトークゲストに来たバク山監督が痩せていて驚く。２ヶ月くらい前に会った時より痩せて小顔になっている。病気か何かかと尋ねたら「編集が忙しくて５キロやせた」と笑っていた。良かった。「編集ダイエット」という企画を思いつくが、汎用性がなさすぎるので即ボツ。

11月〇日
オザケンがとにかく素晴らしい。録画していたNHK「SONGS」を見て、泣いてしまった。昔のオザケンも何だかんだ言いながらよく聞いたけど、51歳になった今のオザケンが断然すき。発想も発言も楽曲も光り輝いていると思う。この人は冗談みたいな強さと明るさで世界を受け入れ、信じている。
強い光からこぼれたその反射だけで、私も生きていけそうな気がする。すべてが奇跡のようです。

11月〇日
個人的に大応援していた映画の取材依頼が来て仰天。まあ不思議なことでも何でもないのだが、私、ちゃんとできるだろうか。どうなるんだろか。

11月〇日
キライだった映画について、なぜキライなのかをずーっと考え続けていたら、突然スコーンと答えが出た。考えようと思って考えてたわけじゃなく、ただただ離れられなかった。すごくしんどかったのでスッキリ。もう考えなくて済む。あーよかった。

11月〇日
映画に使われたロケ地で凱旋取材＆撮影。素敵な建物でホーッとなる。終わって同じ行先の試写室まで車に乗っけてもらう。食事する時間がないので途中コンビニに寄ってパンを選び、パクパク食べて映画。
どってことない、何も特別じゃない、こういうスキマの時間が何より楽しいと思う。どってことないこの日記（？）も、少し続けてみようかな。