宮岡絵美

Japanese poet. 生物系出身。詩集「境界の向こう」(思潮社)「鳥の意思、そ…

宮岡絵美

Japanese poet. 生物系出身。詩集「境界の向こう」(思潮社)「鳥の意思、それは静かに」(港の人)楽譜&CD:組曲「平行世界、飛行ねこの沈黙」/HP:POETICA https://www.emi-miyaoka.net/

最近の記事

「境界の向こう」のKindle版ができました!

「境界の向こう」Kindleページへ 第二詩集「境界の向こう」のKindle版をつくりました! 朝5時に起きて出勤までに25分程度確保したり、地味にこつこつがんばった… 朝活の成果かな、これは。 端末によっては、ゴシック体で表示されるので、明朝体をダウンロードすれば、デフォルトの明朝体で読むことができます。詩なので余白を広く取っていますが、Kindle上で読みやすいようにカスタマイズして読むことをおすすめします。 ロイヤリティは受け取らない手続きをしています。 試し読

    • 「鳥の意思、それは静かに」のKindle版ができました!

      第一詩集「鳥の意思、それは静かに」のKindle版をつくりました! 「鳥の意思、それは静かに」Kindleページへ 紙の本はほぼ在庫切れになったので、読みたい方の手に入りやすいよう、ようやっとKindleにしました。年末年始がんばった〜 端末によっては、ゴシック体で表示されるので、明朝体をダウンロードすれば、デフォルトの明朝体で読むことができます。詩なので余白を広く取っていますが、Kindle上で読みやすいようにカスタマイズして読むことをおすすめします。 無料で売る

      • 深呼吸して

        ちょっと風変わりなうたがきこえる 揺らぎゆらぐ宇宙から刹那 しんとした呼吸に満ちている ぎりしいぎりしい ぽろくんぽろくん 行く手には暗闇がぽかりと佇んでいる 自己準則性は崩壊する わたしの謎は暴かれて この両手には何もない いつもその地点から出発するのだ 良いことがたくさんあり過ぎると このまま死んでしまうのではないかと思う 何かをひとつ諦めてから はじめて一歩先へと進む そんなやり方しか出来ないなんて 広々とした場所へ出て 深く、深くかかとから呼吸する

        • 忘れえぬ作品-クロード・モネの作品群

          忘れられない作品というのは多くあるけれど、もっとも長い付き合いの作品といえば、クロード・モネの作品群かもしれない。 中学生の頃、私は美術部にいて、好きな作品を模写するという課題に、モネの「キャピュシーヌ大通り」(だったと思う)を選んだ。ぼんやりしたタッチの、穏やかに落ち着いた風景が気に入ったのだろう。仲の良い友人はダリを選んでいて、さすがだなと思った記憶がある。 モネは家族も多く、こんな風に生活を大事にして生きてゆきたいという思いがあり、ある種人生の指針でもあったような気

        「境界の向こう」のKindle版ができました!

          空を駆ける

          変わりゆく空なんて 寂しいだけだと思っていたけれど あの人が空が好きだと いつも言うものだから 私も空が好きになってしまった 空を見ながら あの人も空を見ているだろうかと考える 人は一生の孤独に 耐えてゆかねばならない 色んなものから心を もらわなければ生きてゆけない 去ってゆく風景 美しかったあの人を胸に 巻雲が空一面に満ちて 永遠の存続はもうすぐこれから 遥か、眼差しが一気に満ちて 開かれる根底のちから 運命など燃やしてしまえばよいのだから

          空を駆ける

          夕明かり

          オレンジ色に曇った夕陽に燃えている 大河のような高速道路 幾通りのパターンを 私は往くことが出来るだろうか 嵐のように迫り来る夜にいて 迎える朝を思うのは難しい 約束された私などいない 確かなものの証拠があるだけだ そう人は語るので その微かな点滅に附いていこうかそれとも 詩集「鳥の意思、それは静かに」より

          ひとときのきおく

          わたしはこころをうしなった わすれてしまう わすれてしまう わすれたことすら わすれてしまって こどものころにもどって ちいさなてのひら とぎれてきえる ふかく、おくそこから のぞんでいる きもちがあふれて つらいのだろうかあなたは すべてはいいつくされている はじまりはあさのむこう いまはやさしいひととき ああ うたいたい そうだね そうだね

          ひとときのきおく

          Where I Was Born

          In a pedestrian crossing I'm having an eye contact with like a office worker Who is making a flying start Yes, I also take you an indicator Lazy afternoon sunlight In a limited provincial city Senses of togetherness That can't take us a

          Where I Was Born

          うたひ手

          月をながめて うたをうたおう どこかにいきたい それだけなのだ ゆく先々でうたう あなたのうたを どこかにいる わたしのために わたしとあいたかった はるかなる約束をした とおい月日 あなたのために うたはつづいている 大空を駆ける 数多の地平線を 味方にして わたしはゆくだろう 過ぎし日の向こう側 待っている日を 夢みるように 組曲「平行世界、飛行ねこの沈黙」より 2.うたひ手

          旅の記憶

          旅はこころを柔らかくする 感じ方が繊細になる まぶたを閉じて またきっとこの地に来る 明るい緑の芝生の上に 狭い石畳の路地の奥に 広く流れる川の光る水面に 荘厳な教会のステンドグラスの向こうに お喋りしながら行き交う人々の間に 詩が、たち現われる いつもは思い出さないことを ふと思い出して驚く いつも思っている人のことは よりたくさん思い出す ここにいること、について考える 連綿たるつながりのなかで 生かされているのか それとも自らを生きているのか 踏

          いきるあなたはそれだけで

          えがおがひらひらとんでゆく かなしいことをみとおして うれしいことをこころにひめて あおくまばゆいそらのひかり ふわふわとどこへでもとんでゆく じつざいするいきものとしてのわたし やさしいあなたのいのちを すきとおるはなびらでそっとすくう せかいのみんながうたっているので わたしはげんざいにいきている にんげんは あのふかいそらにだってなれるから かのうせいは あなたのなかにいつもある そしていまいきているこのいのちをもらった それだけでわたしは じゅう

          いきるあなたはそれだけで