深呼吸して
ちょっと風変わりなうたがきこえる
揺らぎゆらぐ宇宙から刹那
しんとした呼吸に満ちている
ぎりしいぎりしい
ぽろくんぽろくん
行く手には暗闇がぽかりと佇んでいる
自己準則性は崩壊する
わたしの謎は暴かれて
この両手には何もない
いつもその地点から出発するのだ
良いことがたくさんあり過ぎると
このまま死んでしまうのではないかと思う
何かをひとつ諦めてから
はじめて一歩先へと進む
そんなやり方しか出来ないなんて
広々とした場所へ出て
深く、深くかかとから呼吸する
われわれはまだ先へと
行かなければならない
反射熱第12号 寄稿作品
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