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競争か、共創か?アフターコロナの生存戦略

こんにちは、ビジネスに役立つマンガを紹介している、みやおと申します。

中小企業診断士という国家資格で経営コンサルタントをやっているのですが、普段はマンガに関する記事ばかり書いています。

なんですが、昨日「企業が取るべき戦略は競争か?共創か?」という議論を目にしてとても興味深かったので、たまにはマンガ以外のことも書いてみます。

筆者の考えを要約すると「市場環境が悪い場合は競争せざるを得ないけど、良い場合は共創も有効だよね」という感じです。そこから、アフターコロナの世界で生き残るための戦略について考えてみたので、それぞれ説明していきたいと思います。

そもそもの議論

noteのCXO深津さんが孫子を引用して書いたこちらの記事

これを受けてマンガコミュニティサービス「アル」の社長けんすうさんがこちらの記事で競争よりも共創が合理的と説明されていました。

これらの記事について、投資家の山本一郎さんが異議をとなえた記事を公開されました。

どの記事もとても分かりやすく、なるほどなあと思わされる良記事です。未読の方はぜひ読んでみて下さい。

この一連の議論からアフターコロナの世界で、企業やお店が生き残るための戦略、というものについて考えてみました。

共創より競争が良い場合

市場が伸びている場合は共創によって増えるパイを分けあって、お互いに繁栄していくことが可能だと思います。一方、市場環境が悪化している場合は、分け合うパイが小さくなっていってしまうので共存共栄は難しいのかなと思います。

ZOZOやLINEで執行役員をされていた田端信太郎さんもこのようなツイートをされています。

残存者利益(または利得)という考え方があるのですが、衰退する市場にあっては競合他社がどんどん減っていくので、最後に生き残った企業が顧客を独り占めできるというものです。

このような市場環境にあっては、共倒れしないように、競合に打ち勝つ競争戦略を考えるのが有効だと思います。

競争より共創が良い場合

市場が伸びている場合に、競合と競争することがお金や時間の無駄使いになることがままあります。パイの奪い合いに目を向けるよりも、パイの拡大を協力して行うことができれば、無駄なコストをかけずに共存して繁栄することができると考えられます。

noteとアルの共創はまさのその良い事例だと思います。

「コンテンツ市場」において競合する可能性のある両者ですが、おうち時間が増える今のトレンドを考えると、共創によってより良いコンテンツを届けることができれば、さらに市場規模を拡大することができ、そのメリットをお互いに享受することができます。

飲食店を例にすると

ここで、市場環境が悪化している飲食店を例にして、アフターコロナの生存戦略を考えてみたいと思います。

飲食店の競争戦略

先に紹介した田端さんのツイートのように、市場環境が悪化しているため基本的には最後まで生き残る競争戦略が有効だと考えられます。

企業が倒産するのは、赤字でも債務超過でもなく、キャッシュ=現金がなくなる場合です。そのため、競合よりも多くのキャッシュを確保して競合が減るまで耐えるために、下記のような施策を検討します。
・金融機関から可能な限り借り入れをする
・コスト(特に人件費などの固定費)を削減する
・支払いサイクルを長くする(家賃の支払い猶予等)
・競合が取り組めていない販促(SNS等)を強化する

そして競合が閉店した際はその顧客の取り込みを図ります。バーガーキングが閉店したマクドナルドのレシートを自店のクーポンにしたキャンペーンは、メッセージも含めて強烈なインパクトがありました。


飲食店の共創戦略

市場環境が悪い場合は共創戦略が取りづらいということは先に述べた通りです。しかし、伸びている市場にフォーカスするという方法もあります。飲食店の場合、店舗での食事は敬遠されていますが、テイクアウトやデリバリーといったいわゆる中食市場は今後も拡大すると考えられます。

そのため、中食市場に進出する飲食店も増えていますが、通常の営業と全く異なるスタイルとなるめ苦戦するお店も少なくありません。例えばデリバリーを始める際、自分たちで配達するとバイクや配達員手配が必要になり、Uber Eats等の代行業者を使うと高い手数料を取られ、いずれにしろ利益を圧迫します。

このような状況を共創戦略で乗り越える動きも各地で見られます。

こちらは、東広島市西条地区の飲食店10店舗が連携して配送の取り組みを開始された事例です。飲食店は配送にかかる設備投資を分担でき、顧客は様々なメニューから選べる、というメリットがそれぞれあり、デリバリー利用者の拡大により市場拡大が見込める共創戦略の一例と言えるでしょう。

まとめ

ということで、置かれている市場環境によって、競争戦略、共創戦略を使い分けるのが良いんじゃないか、という話でした。

ただ、個人的には衰退市場で競合の廃業を待つというのは(メンタル的にも)けっこうしんどいんじゃないかな…と思います。なので、できるだけ成長市場にシフトできないか考えて、そこで仲間を見つけて一緒に市場拡大を目指していくというのが、理想論的ではありますが良いと思います。

ということで普段はマンガに関する投稿が多めですがTwitterもやってます。よければフォローしてもらえると嬉しいです!


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