リモート×溶接の可能性
スタッフ市原より。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、リモートワーク・テレワーク・在宅勤務などなど様々な言葉でstay at home が推奨される中、自分でも難しいだろうと思う製造業でのリモートワーク。
何せ製品を製造できなければ仕事にならない。が、そんな設備はふつう家には揃えがたい…
しかし!この通り!
とりあえず揃えてみました、まさかの溶接リモートワークセット!
玄関先がリモートオフィスならぬリモートファクトリー?
この記事では思い切ってリモートに挑戦した経緯や、実際にやってみての様子をお伝えしていこうかと思います。
おそらく4月に入る少し前のこと、いよいよ東京は緊急事態宣言が出そうだなと私はそわそわ。塾長も、私が通勤に電車を使うことを気にしてくれており、私からも「正直ちょっと電車通勤怖いですね…」と伝えていました。
そして、コロナ感染拡大の状況を睨みつつ、時差出勤を試したりもしていましたが、もう一歩進めないものかなぁと考えていた時に…、思い出しました!
溶接塾にはアレがあるじゃない!
アレというのが冒頭の写真に写っている『家庭用溶接機セット』です。
この『家庭用溶接機セット』は、もっと一般家庭にも溶接を!という思いから企画して、今年2月に展示会で発表したばかりのニューフェイスです。
100V電源で使えるTig溶接機・アルゴンガス・それらを乗せたり、道具を収納するワゴンからなるこのセットですが、注目はワゴン上で溶接できるように天板が銅であることです。
ボンベを入れてW650mm×D450mm程度のこのワゴンのおかげで、溶接機やボンベ、道具をコンパクトにまとめることができて、かつこの上で溶接できるとなれば、限られたスペースでもそれなりに溶接できる環境が整います。
そうだ、これでいいじゃないか!試す価値はあるし!
と思い立ち塾長に連絡。
かくして、宮本溶接塾は緊急事態宣言下における、目指せ溶接リモートワークへの作戦会議を開くことになりました。
家庭用溶接機セットの使い勝手についてもっと試したい部分はあったし、会社としても近年はIoTの導入を進めていて、溶接塾と現場(市原宅)をつなぐのにも大きな問題はない、と塾長も前向きでとんとん拍子に話が進み、あっという間に私の家の玄関先には『溶接リモートオフィス』が出来上がりました。
Tig溶接では、基本的には有害な煙や火花はほぼ出ないとされていますが、溶接時に出る紫外線は防がなければならないので、壁を布や板で保護し、荷重による床のへこみ防止のために床にも板を敷きました。このくらいの対策をとれば準備万端です。
ではさっそく。
試しに溶接してみましたが良好です。
こうして約1か月前にはじめた溶接のリモートワークですが、さて、1か月実践してみてどんな様子かというと、割とうまくいっているかな、と思っています。
もともとIoT導入に会社として力を入れていたし、溶接塾の指導法としてもリモートを活用しようと塾長が工夫してきたことがぴったりとはまり、溶接や製品についての指示も問題なく受け取れています。
もちろん実際に工場に出勤したほうが仕事もはかどるし、会社としてもいいのは当たり前なのですが、このコロナ禍だからこそこの取り組みが活きているな、というのは感じます。
実際、リモートワークにしてからは、どうしても変更できない用事以外では電車にも乗らずにすんでいて、気持ちとしてはとても楽です。
溶接する部品については、塾長が私の家に割と近い工場に用事があるときについでに持ってきてもらったり、引き取ってもらったり。どうしても都合がつかない場合は宅急便で受け渡しという風にしております。
私がこの働き方でこれからもずっとやっていく、というのは今のところ厳しいとは思いますが、新しい可能性としては十分だと思います。例えばこれからもっと働き方が多様化するであろう中で、リモートでも働けることが分かってくれば、「副業で溶接」という選択肢が世に生まれるかもしれません。
そんな将来への想像もふくらましつつ、日々仕事をする中で出てくる改善点をまとめて今後に生かせるようぼちぼちやっております。
そして
『家庭で溶接ができる生活』
を送る中で、stay at home な状況も相まって、本業とは別の成果もぽつぽつと。
『溶接をもっと身近に』という私の考えを、この機会に自ら試すことができているのは、この憂鬱なコロナ禍においても将来への希望を感じられてよかったなぁと思います。
コロナの影響で多少工場の仕事も動きが悪く、溶接塾も休講のため、これがなかったらちょっと不貞腐れた1か月だったかも…。
ひとまず5月末まではこの取り組みを続ける予定です。
今回は仕事について書きましたが、家で溶接ができるようになったことによるその他のことについても書いていけたらなと思います。
ではまた次回!
夏には海に行けるかなぁ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?