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次の日、男の子はランドセルを背負ったまま、もう一度よろず神社のうらにやってきました。カラ…
その時、ガサガサっと木のかげから物音がきこえました。猫かな?ガースケはパッとつばさをひろ…
「カー、カー、カー」 よろず神社のうらの雑木林から、カラスたちのなき声がきこえます。ここ…
(カラダが元気だと、ずっとは眠れないんだな) わたしは朝起きるのがとても苦手だ。もし許さ…
山から下りてきた春風が、真っ直ぐに並んだ緑色の稲をゆらしています。水田の表面に空の青さが…
<2> ぼくはせっせとそこら中の土をほりかえした。でも、かなしみ草らしきものは見つからな…
<1> ばあちゃんがしんだのは、今年の三月三日、ひなまつりの日だった。まえの日におかあさんともでんわではなしをしていたのに、ねむっているときにコトンとしんぞうがとまってしまったんだって。しんぞうがとまると、しんでしまうなんてしらなかった。 ぼくはおかあさんといっしょに、くろいふくをきて、おそうしきにもでた。ばあちゃんは、たくさんのしろいキクの花にかこまれて、目をとじていた。ちょっとよそいきの顔だったから、ばあちゃんじゃない人みたいにもみえた。ぼくはまだ、ばあちゃんがしんで
<2> 「信じられない?じゃあ、いいよ。証拠を見せてやるから」 キツネはニヤっと笑った。 …
<1> 漢字の書き取りノートをテーブルの上に広げたまま、ココはぼんやりしていた。何かを考…
ある晴れた秋の日のことです。 「グッション、グッション!」 母グマが大きなくしゃみをしまし…
放課後、だれもいない公園で、よしおは一人ぶらんこに座っている。肩が丸まって、元気がなさそ…
おいら、銀ちゃん。小さなロボット型のキーホルダーさ。昼間はトコちゃんのポケットが、おいら…
ざわざわ、がやがや。子どもたちのにぎやかな声が、二年二組の教室の外までひびいています。そ…
スーパーの買い物袋が、左の腕にぐいっとくいこんでいる。いたい、重い。でも、あともう少し。アパートまで、足をずりずりとひきずりながら、歩いていく。今朝は小雨がふっていたせいで、仕事に行くのに自転車ではなく、バスを使ったのだ。バス停が近くにないのが不便ではあるものの、その分、家賃が安いのだから、文句ばかりも言ってはいられない。右手ににぎったカサを杖代わりにしながら、美琴はひたすら歩く。自転車が一台、追い越していった。 「はあ、やっと到着」 部屋のトビラの横にカサを立てかけて、肩