取材中のメモ、私は手書きが絶対。その理由。
「いつ書いてるの?」と聞かれるのと同じくらいよく聞かれる質問がこれ。
「取材中にどうやってメモとっているの?」
それ聞きますか? 長くなってもいいですか?
どうやってメモを取るか。
これは、ライターを生業にする者にとって大問題だ。
独立して10年、会社員としての編集記者生活を合わせると約20年。
それはそれはいろんな方法を試してきました。
大前提として、私は取材中のメモ取りは100%「手書き」にしている。
相手が話すスピードと同速でキーボードを打ってメモを取る人もいらっしゃるし、
それが「取材完了と同時にメール等で共有できるテキストメモが完成している」という利点をもたらすのもよく分かっている。
それでも、やっぱり手書き。
理由を言ってもいいでしょうか。
(1)そもそも打つのが早くない
(2)相手の目を見て話に没頭したい(表情の変化を逃したくない)
(3)カチカチと音が出ると、相手の話を集中して聞けない
(4)「手で文字を書く」というフィジカルな動作が、感動と連動しやすい
最後の(4)が分かりにくいと思うので、補足します。
文字は、つくづくすごい道具だと思うのです。
大きく書いたり、小さく書いたり。丁寧に書いたり、荒っぽく書いたり。グルグル囲んだり、線を引いたり。
インタビューをしながら「スゴイ!!」と感動したら、その熱量をそのままに瞬時に写し取れる(時にはあえて表情には出さず、手元の文字だけで感動を記録することもある)。
なんて便利な道具なのか。
この「感動を写し取る」には、素材は「紙」でないとダメ。
iPadなどのタブレットと専用ペンを使って記録する方法もあって試したこともあるけれど、
やっぱり紙にはかなわない。
硬い画面を硬いペン先がカツカツ滑る音と感触が耐えられない。
なんだか各論がだんだんマニアックな深みに入ってきてしまったけれど、
紙の包容力はすごい。
感動レベルがピークに達した時、ものすごい圧をかけて文字を書き殴ってしまったとしても、空気とパルプのもたらす弾力でしっかりと受け止めてくれる。
紙が凹むくらいの筆圧で書かれた文字を後から見返すと、「ああ、この時、私はめちゃめちゃ感動したんだな」と振り返る。結果、原稿のアウトプットにもいい意味で影響する。
ということで、取材メモは手書きが基本。
さらにいえば、音声録音との合わせ技は必須。
なぜなら、本当に夢中になって聴いている時は、全身の意識が相手に向くので「手が止まる」からだ。
筆記の際に、「どんな紙にどう書くか」についても
いろいろ試してきた。
まだ試行は続いているけれど、ここ数年定着しているツールは2種類。
それについても今回詳しく書こうと思ったけれど、
キーボードを打つのに疲れてきたので、今日はそろそろおしまいにしようと思う。
noteを始める時に決めた合言葉は、サステナブルだから。
気になる方は、よろしければまた次も読んでください。