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介護のススメ! を読みました

なぜ読んだのか

  • 会社の人おすすめ

  • 以前読んだ「関係障害論」がすごく面白かったので

この本の目的

介護の面白さを伝えること

本の感想

三好さんの実際の介護エピソードから、介護と医療の違い、いい介護とは何かが紹介されていました。

「介護は人生に関わる仕事。『こんな体になったけど生きていてよかった』と思えるような体験をしてもらうこと、これが介護という仕事がなすべきことなのです。」という考え方には感銘を受けました。自分も、自分の仕事にこんな意味を持たせて働くべきですね。

一部精神論だと感じた部分もありましたが、一方できちんと専門的・科学的な部分にも言及されており、それが発言の納得感を一層増していました。そして時には、哲学的な話も絡めて進んでいくので、介護について学びながら自然と自分の人生についても考えさせられます。

介護はよく「きつい」「汚い」「臭い」の3Kだと言われており、私も今の会社を知るまではそういうイメージがありました。

でも、この本をおすすめしてくださった私の会社の介護職員の皆様はすごく生き生き楽しそうに働いていらっしゃいます。それはきっと、決められたルーティンの中でマニュアル通りにやる介護ではなく、「どうしたらその人らしい最期を迎えることができるか」という視点で、いい介護をされるために皆様がチームとなって試行錯誤されているからなのかな、と本を読んでいて思いました。

余談

私は一応理系出身の人間で、実験とエビデンスの世界で育ってきたので、若い頃は「人の感情」というものを考慮するのを忘れがちでした。例えば、身近な例で言うと環境活動家や反ワクチンの人たちをSNSでみてはちょっとひいていました。

でも、この世の中には、科学的に証明されていないけど経験値としてなんとなく持っているものってたくさんありますし、逆に科学的に証明されていても、「そうは言っても…」と思うこともたくさんありますよね。

「ルールだから」「科学的にはこう証明されているから」と誰かを説得したり、縛り付けるから、対立・問題が起こってしまう。まずは気持ちの部分を尊重するべき場面もあるということをこの本から学べました。

社会は弱者に厳しいです。メンタルが弱ってしまうと、すぐ「メンヘラ」というレッテルを貼られて干されます。そういう環境があるのは、効率化や成果の前に「人の感情」が軽視されがちだからなのかなと思いました。もちろん成果を出すことも大切なのですが、そればかり重視されて、気持ちを無視されてしまうと人はいつか壊れてしまいます。

今の会社はものすごく居心地がいいのですが、仕事の話以外に息子の話や、私のメンタルも頻繁に気にしてくださる人がたくさんいらっしゃるおかげです。私の気持ちを先に考えてくださるから、私も「もっとこの組織に貢献できるように頑張ろう」という意欲が湧いてきます。

この著者のような仏の境地に辿り着けるのは、きっと介護職をはじめとした「人と関わる仕事」をしている人だけだと思います。そういった方と一緒に働く機会をいただき、人生の大切なことに気づかせていただきました。


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