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息子と私の夜間覚醒のはなし

秋の夜長を感じる季節が近付いて参りました。
息子は3歳の誕生日を迎え、ますますパワーアップする今日この頃です。
ところでこの息子、最近大きな変化がありました。
3歳の誕生日を目前にして、夜間に覚醒することなく朝まで眠るようになったのです。
そしてわたしも、3年と半ぐらいぶりに6時間以上続けて眠ることができるようになったのです。
わたしの育児に革命が起こったのです。蒸気機関の発明ぐらいの進化です。

これは、眠ることが大好きな母が、子の夜間覚醒と闘ったようで別に闘ってない3年とちょっとの記録。
寝ない子をお持ちのお仲間の方、ごめんなさい多分何の参考にもなりません。

まず前提として、わたしは生まれながらのロングスリーパーです。
睡眠時間を削ってゲームに充てていた学生時代や社会人時代は、平日はどうにか5~6時間睡眠で乗り切っていましたが、休日になると12時間はぶっ続けで寝て睡眠負債を補っていました。下手すればもっと寝る。
身体の調子が一番良いのは10時間ぐらい寝た時です。10時間寝たことがもう何年もないので、その感覚を忘れつつあるのですが。

そんなわたしが最後にぐっすり眠れたのはいつだっただろうか。
確かあれは、妊娠初期から中期になろうとしていた頃。
まだ外から見てもお腹は大きくはないけど、体内では子宮がズンドコ巨大化している時期。
個人差はあるのだろうけど、膀胱が巨大化した子宮に圧迫され、どんどんトイレが近くなっていったのです。
それは眠っている間も容赦なく、夜間にも数回、妊娠後期には一晩で3~4回はトイレに起きるようになりました。
尿漏れパッドともお友達になりました。最近の商品はパッケージにマタニティマークがついていたりして、若い人でも買いやすくなっていますね。良い事です。
産むと眠れなくなると散々脅されてはいたものの、思えばこの頃から夜間起こされる事に強制的に慣らされていました。

季節は流れいざ出産。出産そのものは今回の本題ではないので省略します。
産むとさっそく助産師さんによる3時間おきの地獄の乳房マッサージが始まるのですが、さすがに産んだ当日の夜だけは一回飛ばして寝かせてもらいました。
子宮が一気にしぼんだことで圧迫されていた膀胱が解放され、数ヵ月ぶりに5時間ほど続けて眠ることができ、感動しました。
この時はまさか、その次に同じくらい続けて眠ることができるのが数年先になるなんて、思いもしなかったのです……。

わたしは一週間、ちょっぴりミニサイズで生まれた息子は二週間ほどの入院を経て退院しました。
一人で先に退院したけれど、昼夜関係なく3時間おきに搾乳をしないと母乳が止まってしまうので、夜中も頑張って起きて乳搾りです。
搾乳生活もなかなかに地獄だったのでいつか改めてまとめよう……。

そしてめでたく息子が退院し育児スタート。
最初のうちはまだ楽でした。3時間ごとに母乳+ミルクを与え、オムツを替え、哺乳瓶と搾乳機を洗って寝る。
たまに泣いて泣いて寝ないこともあって、寝かせない拷問をされているような時もありましたが、それでも寝れば2~3時間は寝ていました。
購入した育児書には徐々に長く眠るようになると書いてあったし、1歳頃には9割ほどの子が夜通し眠るようになるとの記述があったので、それを希望に眠い目を擦りながら一日一日を乗り切っていたのです。
超ロングスリーパーの私ですが、この頃は1~2時間睡眠を一日数回とかだったと思います。新生児母はみんなそんなもんだと思いますが、わたしにしては超頑張った。

あれ?と思ったのは3ヵ月に入る頃。
育児書によるとこの頃は徐々にまとめて寝ることが増えてきて、早い子は朝まで寝ることもあるとのことです。
一方わたしは幸運なことに地獄の搾乳が実を結び、母乳がドバドバ出るようになってミルクの割合が減ってきていました。
するとどうでしょう、これまで2~3時間は眠っていた息子がきっかり1時間半で目を覚ますようになったのです。
まあ母乳は腹持ち悪いって言うしな、哺乳瓶洗わなくていいからその分マシだしな、と自分を誤魔化しつつ1時間睡眠を繰り返す日々です。

ちなみにこの頃、息子の退院直前に発売したMHWアイスボーンをちょっとだけ触りました。
発売直後はさすがに育児で頭がいっぱいでそれどころではなかったのですが、少しだけ慣れが出てきたこの頃、ちょっとやってみようかなという気になったのです。
息子が寝たタイミングで1~2クエぐらいなら……と夫に連れられ意気揚々とオンラインに出掛けていったところ、クエスト開始5分で寝室から響く泣き声。
ああわたしはもう二度とオンゲーできないんだ。と、とても悲しい気持ちになりながら、クエストを放り出して息子の元へ向かいました。
どうにか再び寝かしつけて部屋に戻ると、クエ中は放置だったものの剥ぎ取りだけは夫がやってくれていました。
クエ中棒立ちで剥ぎ取りだけはしっかり参加するクソ地雷ふんたームーブをしてしまいました。晒されないかドキドキでした。
あなたやわたしがこれまでに出会ったクソ地雷の中にもこんな人がいたかも知れません。あの時は本当にごめんな。

6ヵ月になりました。そろそろ離乳食を始める頃です。
相変わらず1時間半ごとに目を覚まします。おかしい、このくらいになれば6時間ぐらいは眠ると育児書やネットには書いてある。
離乳食を食べるようになれば、おなかが満たされて続けて眠るようになるはず。

…………。
ならない。
8ヵ月。2回食になれば。
10ヵ月。3回食になれば。
ハイハイをするようになれば。お座りをするようになれば。つかまり立ちをするようになれば。伝い歩きをするようになれば。
疲れて眠るようになるはず。

……………。
なりません。
育児のステージを一段一段昇っていく度に、息子の成長を喜びつつ、それでも睡眠のステージが新生児の頃からむしろ退化していることに絶望しました。
なおこの頃夫がドハマりしていたSEKIROに手を出すも赤鬼倒した辺りで挫折。産後脳で手を出していいゲームじゃなかった。
そしてとうとう1時間半以上続けて眠ることのないまま1歳を迎えました。
もう、息子の生まれたあの日の夜を除いては1年半ほど続けて眠っていません。
それでも正気を保っていられるのだから母性というのは恐ろしいものです。素晴らしいのかどうかわかりません。いや本当に正気だったのかも最早わかりません。恐ろしいです。
夜泣きとは違い、起きる時は泣くものの、授乳さえすれば大人しくなりそのまま再度寝ることが多かったのが救いでした。
ネントレだとかジーナ式だとかも目に入ったけど、そもそも泣いても喚いても寝るまで放置というのが可哀想すぎてできず、そこまでするくらいなら我慢するわと諦めの境地にいました。
どんなロングスリーパーだろうと2時間すら続けて眠れない生活が1年半も続けばこうなるのです。
寝るようになるよと言われても、断乳もできませんでした。泣いたらとりあえず乳ボロンしときゃ大人しくなるっていう便利アイテムを手放すのが惜しすぎて。
なおこの頃は母乳を出していたせいか睡眠不足のせいか、好きなものを好きなだけモリモリ食べてもゴリゴリ体重が減っていくボーナスタイムでした。今はその時のボーナスを全部使いきっています。

やっと少し状況が改善してきたのが、1歳2ヵ月くらいで歩き出した頃です。
どうやら歩くのが楽しかったようで、外に連れて行ってあげるとどこまでもフラフラ歩くようになりました。
自らの足で大地を踏みしめ歩く息子の姿に感動すると共に少しでも体力を消耗して欲しくて、よく当時住んでいたアパートの駐車場や近所の小さな神社の境内で放牧していました。
するとどうでしょう。起きるタイミングが1回飛ばされ、3時間寝るようになったのです。
これは劇的な変化でした。石器から鉄器ぐらい劇的です。
3時間も寝てくれれば少しは自由時間ができます。
いやでも3時間に一度起きるって新生児並みだな?1年以上かかってやっと振り出しだなこれ?
なおここまでに検診やら何やらの機会に専門家に散々相談していますが答えは一律「いつかは寝る」それだけでした。その通りでした。
続けて寝ないことを除いては、発達もまあちょっとゆっくりめではあるけど普通の範囲だし、私に似ず愛想がよく、人見知りせず誰にでもニコニコするとても可愛く元気な息子なのです。

21~22時頃に寝て、0時、3時、6時頃に覚醒しつつ、朝は8時くらいに起きる。昼寝は午後に2時間前後。
歩き出した頃に確立したこのリズムが、何とつい最近まで続いていました。
もちろんこれより多く起きることもあります。少ないことはほとんどありません。絶対に3時間より長く寝ないのです。
2歳を過ぎる頃にはもう完全に諦め&慣れて、深夜に起きても記憶が曖昧でした。
夜少しでも多く寝て欲しくて、超インドアなわたしが頑張って日中は毎日散歩や公園に連れ出し遊びましたが、結局それは更に体力を増強しただけでした。

そして3歳の誕生日が近付いた夏。
少し前から、明け方まで目覚めない日がぽつりぽつりと出てきていました。
そして8月中旬のある日、22時に寝てから朝8時まで眠り続けたのです。
最初は、きっとわたしが起きたことを忘れているだけだろうと思いました。
しかし次の日も、その次の日も、確かに眠っているのです。
もう朝まで眠るという希望なんて捨てたどころか忘れており、喜ぶというよりは何が起こったのか信じられませんでした。
こうして夜間覚醒との闘いは、何の努力もしないままただ時の流れに任せるまま、3年半で幕を閉じました。
とうとう鉄器から蒸気機関へと文明が進歩した、そんな気分でした。
毎日朝まで眠れるのは最高ですが、その分気力が漲って、こうして夜更かしをして書き物をしたりゲームをしたりするようになってしまいました。結局睡眠時間は逆に減っています。
でも好きなことが集中してできているので、育児以外の面ではこの3年で一番充実しています。
もちろんまだたまに夜中起きることはありますが、数日に一回とかのレベルになりました。
何故突然こうなったのか謎ですが、何かアップデートがあったんでしょうね。脳の何かが。
体力お化けなので寝付きは悪いままですけどね。うっかり昼寝させすぎると平気で23時とかまで起きてる……。

そんなわけで同じように寝ない子のママがもしこれを読んでいたら、うちは3歳が区切りだったよとだけ。
まだ赤ちゃんの頃、知人に相談したら「うちは上も下も2ヵ月頃には夜通し寝てたよ」と言われた時の絶望感と言ったら格別でしたが、過ぎ去った今となってはいい思い出…………

そんなわけねえええええええええええだろ!!!!!!
もっと!!寝たかった!!!!たくさん寝て!!!!!余裕持って育児!!!!!
したかった!!!!!!!!!!
二度とゴメンじゃ!!!!!!!!!!!!!

まあでも上を見ても下を見てもキリないんですが、夜驚症をお持ちのお子さんとかに比べたらマシだったのかなぁとは。
周りだけでも2人いたけどあれは本当に大変そうだった。
本気でネントレや夜間断乳したらもっと早く改善してたのかな?でも子が泣いて削られるメンタルと続けて寝られないストレスを天秤にかけて、泣かせるぐらいなら寝られなくてもいいやっていう結論を自分で出したので別に後悔はしてない。
眠りが浅かった頃は夫が少し物音を立てただけで息子が目を覚ましてしまいガチギレしたりしていたものですが、今や叩いても転がしても全く起きません。同じ生き物とは思えません。

3年以上睡眠不足が続いていてすっかり慣れて気付いていなかったけど、やっぱり5~6時間続けて眠ると体調もメンタルも全然違う。
子が生まれた瞬間、自分の人生は終わって子の母としての人生に切り替わった感覚があったけど。
こうやって少しずつ、少しずつ母じゃなかった頃の自分を取り戻すんだ。
あの時5分で投げ出してしまったクエストを、泣きながら諦めた楽しみを、もう一度やり直すんだ。
コントローラを放り出して泣いてる息子に駆け寄ったあの日のわたし、偉かったね。本当に偉かった。抱き締めてやりたい。
さ、今年は秋の夜長を楽しむぞ。

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