見出し画像

中国ではなぜ電気自動車が人気なのか?

中国で電気自動車が人気です。私は中国の上海で運転をしていますが、街をみていると概ね6割程度は電気自動車になっています。もちろん中国は広大ですので、都市やエリアによって電気自動車の普及率は異なりますし、農村部等では電気自動車は現実的ではなくなおガソリン車が中心という状況です。

グラデーションラッピングのTeslaが多い

中国で電気自動車が人気の理由

とはいえ、世界的にみても中国市場の電気自動車人気は際立っていますし、今後もしばらく電気自動車人気は続くと思います。中国における電気自動車人気の要因は様々で、主なものを挙げると以下になります

1.エコカー補助金(電気自動車対象の補助金)
2.カーナンバー取得費用が安い(例:ガソリン車のナンバー200万円に対して、電気自動車なら10万円等)
3.中国メーカーが電気自動車投入に積極的、性能も上がってきている
4.若年層を中心に、国潮ブームで国産ブランドへの人気が高まっている
5.中国特有の交通事情

1から4は、非常にわかりやすく、またメディアでも取り上げられることが多い内容なので、説明は省くとして、今日は5つ目の、中国特有の交通事情についてお話をしたいと思います。

渋滞とストップ&ゴー

まず、私が住む上海だけでなく、中国の都市部は近年自動車の保有者が急増したため、慢性的な渋滞が発生しています。国も道路拡張、高架建設、公共交通の拡大等様々な対策を進めていますが、急増する自動車の数に追いつているとは言えない状況です。

特に、朝晩の通勤ラッシュは凄まじく、また中国では多くの家庭が自分で車を運転して、子供を学校に送り迎えします(スクールバス制度が貧弱、スクールバスの交通事故が頻発しているため親が学校側を信用していない)ので、ラッシュに拍車がかかります。

どこまでも続く渋滞

渋滞が多いとなると、運転をしていて自然ストップ&ゴーが頻繁に発生することになります。従来のガソリン車の場合、アクセルを踏んでから加速するまでに若干のタイムラグがあるため、頻繁なストップ&ゴーはふくらはぎとスに大きな負担がかかり、あまり長時間これを繰り返していると足が攣ってしまうこともあります、実際私も普段渋滞に巻き込まれて足がつります。それに対して電気自動車は、ストップ&ゴーが頻繁に繰り返される状態でも相対的にふくらはぎとスネへの負担が相対的に少なく、疲れにくいと言われています(中国の友人複数の経験談)。渋滞が頻発する、ストップ&ゴーが頻繁に発生する中国では、足への負担が相対的に少ない電気自動車が好まれるのかもしれません。

信号とレース化

中国の信号


ストップ&ゴーの話は、中国のネットやSNSの世界でも色々議論されている割と有名なテーマですが、こちらは私が勝手に想像している話になります。写真をみてもらうとわかりますが、中国の信号は、赤になるまで、青になるまで「あと何秒」が表示されるタイプの信号がほとんどです。あと何秒かわかるのは運転している側としてはとても便利ですが、困った現象も引き起こします。それは、信号がレースのシグナルのような役割を果たしてしまい、信号が青になった瞬間に、各車が一斉にアクセルを全開で急発進してしまうということです。このとき、ガソリン車だとアクセルを踏んでから加速するまでにタイムラグがあり、踏んだ瞬間に加速する電気自動車に勝つことは難しくなります。

踏んだ瞬間に加速すれば、朝の交通渋滞GPで勝つことができる。中国電気自動車が人気なのもこういったところに理由があるのではないかと私はちょっと勝手に考えています。

以上、中国の電気自動車人気を、電気自動車のドライブフィールや中国の交通事情を交えて書いてみました。皆さんのご参考になればと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?