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贔屓球団から移籍していった選手に対してどういった感情を抱けば良いか

昨季オフ、浅村栄斗が我らが埼玉西武から東北楽天に移籍した。成績は打率.263(529-139) 33本 92打点と、バッティングタイトルこそ逃したが、その成績は堂々たるものだった。なかでも対西武に対して、27安打11HRとこれでもかと「恩返し」をしてくれた。シーズンオフにデータがアップデートされた『実況パワフルプロ野球』では、西武相手に能力がアップする「レオキラー」なる特殊能力までついているそうだ。…しくしく。

西武から主力が毎年のように国内外の他球団へ去っていくのは、周知の通り。もはや恒例の行事として、(それで良いのかとも思うが)慣れてしまった…。そして毎年のように移籍していると、実に色んなチームに若獅子だった選手が所属している。そうなれば、チーム事情も異なるし、起用法や選手層で求められる結果も変わってくる。例えばシアトル・マリナーズに移籍した菊池雄星はなんと、イチローの引退試合に先発するという歴史的な試合でマウンドに登ることになった(シーズンを通しての成績はピリッとしなかったが)。反対に、巨人に移籍した炭谷銀仁朗は厚い捕手層に阻まれ、あまり試合に出ることが叶わなかった。

ある意味当然のことだが、移籍した元西武選手たちには三者三様の命運が待ち受けていた。しかし、どれをとっても複雑な心境になる。浅村のように活躍すれば「チクショー!恩をアダで返しやがって」と思うが、かといって炭谷のように振るわなかった選手に対して「ざまあみろ」とは言えない。だって浅村も炭谷も所沢で苦楽を共にしてきたのだ。ファンにとって選手は昨日今日の「間柄」では無い。1シーズンだけでも140試合近く、共に濃密な時間を過ごしたのだ。そんな相手にはやはり、愛憎様々に渦巻くとしても、結局は幸せになってもらいたいと、別れた恋人のようなセンチメンタルなことを思う。要は贔屓球団の選手が移籍すると「活躍しても、しなくても、納得いかない」のだ。本当にスポーツファンの心理とは厄介なものだ。高橋源一郎の小説に『優雅で感傷的な日本野球』という作品があるが、「感傷的」とはうまい表現だと思う。

来季は14年ぶりに松坂大輔が西武に戻ってくるし、一昨年は松井稼頭央が15年ぶりに帰ってきた。長いこと野球ファンをやっていれば、こうした何かの拍子で「再会」出来ることもある。だからまあ、あまり考え過ぎず、目の前の好きな選手を好きなように応援しようと、そんな感じでこの文章を締めくくろうと思ったが、この文章を書いていたところに牧田和久が楽天に移籍するとニュースが入ってきた。ぐぬぬぬ。岸孝之もそうだが、どいつもこいつも楽天に行きよって。石井一久GMよ、今に見てろ!って石井も西武OBやないかーい!まあ、こんなごちゃごちゃ考えてるうちは今後もプロ野球を楽しくみれるだろう。…特に楽天戦は…。

#スポーツ #野球 #西武 #楽天 #移籍 #浅村栄斗

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