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鈴木亜久里の挫折-F1チーム破綻の真実

(初出:旧ブログ2016/01/30)

 最近はほとんどF1中継を見なくなってしまったが、一時期かなり熱心に見てた。ドライバー個人ではキミ・ライコネンと小林可夢偉が好きだった。そして日本のチームであり、鈴木亜久里がゼロから作ったという「判官びいき」も手伝って応援してたのがスーパーアグリF1チーム。おそらく同じような理由でスーパーアグリを応援していた人も多いはず。

 プライベーターとしてF1に参加したいという夢から始まって、アロウズの型落ちマシンSA05での船出、佐藤琢磨がポイントを獲得するという天国(文庫化される前、この本は『鈴木亜久里の冒険 走れF1ビジネス』という題だったそうだ)、そしてSS UNITEDという正体不明のスポンサーに騙され、マグマ・グループとの交渉を寸前で白紙撤回され、志半ばで挫折するまでの全てを細かに書いている。その中にはソフトバンク、サマンサタバサジャパンといった意外な企業名も登場する。

 鈴木亜久里という男は良くも悪くも妥協を許さない所を持った、自分への厳しさを持った熱い男であることがわかる。しかしフラビオ・ブリアトーレやロン・デニスのような勝利至上主義、熱さよりも時には冷徹な部分を持たないと「仁義なき」F1サーカスでは身が持たないのだろう。改めてF1ビジネスが「破格」であるかがわかる。

#F1 #ノンフィクション #スーパーアグリ

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