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【feat.大塚リョーマ】『十三機兵防衛圏』で選択肢をループする男VSニャロメと昭和から来た男【読むラジオ『もっとトークへ』vol.3】

みやまる(以下みや):こんばんは、みやまるです。大塚リョーマくんとの「読むラジオ『もっとトークへ』」は、今回で3回目になります。

大塚リョーマ(以下大塚):よろしくお願いします。大塚リョーマですー。

みや:旅行のような移動がはばかられる昨今ではありますが、リョーマ君が行ってみたい海外の国はありますか。

大塚:昔からずっと気になってるのはイタリア。ジョジョ(『ジョジョの奇妙な冒険』)とかの影響もあるだろうけど、子どものころに世界遺産の辞典見たときから、生のコロッセオに行きたいんだよね。探検したい。

みや:欧州なら俺もイタリアだね。俺がサッカー見始めたころ一番強かったのもあって、「ヨーロッパ」って最初に思い浮かぶ場所だし。大好きな映画監督、フェデリコ・フェリーニの母国でもあります。

大塚:ゴッドファーザーとかの、伊達男のイメージも強いよね。

みや:「アモーレの国」ですからね。この表現も、オノ・ナツメのイタリアを題材にしたマンガからです。

大塚:安心して贅沢に聖地巡礼とかできるようになってほしいね。

みや:アニメの舞台とかに行くほうじゃなくて、バチカンとかの、もともとの意味のほうでの「聖地」ね。うちの家族でイタリア行ったことねーの、俺だけだし……。

大塚:てな感じで身内な話になったところで,、コーナー枠いきましょうか。


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みや:このコーナーは”しゃべって紹介したいアレ”をお互いに話し、聴いてもらうコーナーです。今日は俺のターンから。……赤塚不二夫『週刊文春「ギャグゲリラ」傑作選』。


大塚:お、赤塚不二夫。近年また人気が再燃したイメージですが、これはどんな作品ですか?

みや:ギャグマンガの祖、赤塚不二夫が1972~82年に週刊文春に連載していた1話完結の短編をセレクトしたものですな。週刊誌連載ということもあって時事ネタがいっぱい。時事ネタのイメージが薄い赤塚不二夫だけど、長嶋茂雄も田中角栄も角川映画もみんな、あの爆発的なナンセンスギャグのアイテムになっちゃってますね。

大塚:そういう時代か。今も昔も毀誉褒貶の激しい雑誌だけど、当時の批判とかはどうだったんだろうね。

みや:まあまあ批判も来たであろうネタもある。81年の名古屋場所の千代の富士に倣って、名古屋の女性を14人連夜抱く(千代の富士は初日を落とすも、その後14連勝で優勝した)、なんて発想の作品も。とはいえ、時々レレレのおじさんやニャロメも出てくるあの画風、作風でやってるから、全然重い感じにはならない。三億円事件からタケノコ族まで、赤塚マンガの「これでいいのだ」的精神に帰結してる。

大塚:今から考えると本当にギャグみたいな事件が起きてた時代でもあるし、それを笑い飛ばそうとできるのがすごい。

みや:500ページほどのツカに、69もの短編がギューっと凝縮されてます。しかもこの本だけで完結してるから、はじめての読者も読みやすいし、『天才バカボン』のイメージの人も、また違う面が楽しめると思う。


大塚:じゃあそろそろ俺の話しますか。

みや:お願いします!

大塚:『十三機兵防衛圏』


大塚:発売はアトラスで、開発はヴァニラウェアのゲームです。ディレクターの神谷盛治(かみたに・じょうじ)さんが、ほとんど1人で作ってます。例えば放課後の教室、部室、駅のホームとかの、そうした日常の一場面から始まるSFです。13人の主人公の断片的なエピソードを探索と会話で進めつつ、たまに物語を進めるのにロボに乗って、街を守るタワーディフェンスもやります。

みや:ちょっとこうスチームパンク的というか。この形容詞であってるのかわからないけど、SFを含めたファンタジーに壮大なスペクタクルが付随する感じは、メガテン(『真・女神転生』シリーズ)を出してるアトラスって感じしますね。

大塚:『ポートピア殺人事件』とかみたいな、テキストコマンドで進めるのではなく、実際にキャラクターを動かして進むのがポイントです。登場人物の演技、アニメーションを楽しみながら遊べます。選択肢を誤るとひどい目に遭ってやり直しになったり、さらには延々話がループするんですよ!

みや:犯人はヤス! ゲームの進行にあたってミステイクがあると、ループのパターンに嵌っちゃうことがあるのね。

大塚:選択肢を誤るとひどい目に遭ってやり直しになったり、さらには延々話がループするんですよ!

みや:さっき聴いたってば。

大塚:選択肢を誤るとひどい目に遭ってやり直しになったり、さらには延々話がループするんですよ!

みや:(……なんだコイツ)

大塚:選択肢を誤るとひどい目に遭ってやり直しになったり、さらには延々話がループするんですよ!

大塚:選択肢を誤るとひどい目に遭ってやり直しになったり、さらには延々話がループするんですよ!

大塚:言いたいこと、伝わるか? 選択肢を誤るとひどい目に遭ってやり直しになったり、さらには延々話がループするんですよ!

大塚:選択肢を誤るとひどい目に遭ってやり直しに………。

みや:わかったわかった落ち着け。この冷えた雰囲気はカッコよくて、SFとして良い温度感を感じますね。時代が進むとプレイヤーが操作する「機兵」の性能や操作性も変わってくるのかな。

大塚:そう。遊んでいくなかで情報が集まっていくと、それまでの内容が一変していったりだとか。

みや:そういうストーリーの分岐って、ゲーム以外の表現ではかなり難しいからね。この手のゲームは、全部やり切った時の達成感がパンパじゃないからね。

大塚:ここ最近そういう作品が世に出回るようになったけど、まあ「体験型芸術」ですね。この作品も文化庁メディア芸術祭の審査に推薦されてたりするし。絵がきれいでキャラがかわいいのがきっかけになって遊んでもらって構いません。よくぞ、いやよくもこのゲームをやらせてくれたな! ってなるゲームです。

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みや:このコーナーは、あるテーマにのっとって、ベタだけど「ケッキョク、この曲」という音楽の話をしようというコーナーになります。今日は私の決めたテーマになります。

大塚:今回のテーマはなんでしょう?

みや:今回は「お笑い芸人の歌った名曲」です。ちょっと裏話をすると、やろうかってタイミングでリョーマくんが教えてくれたんだけど、『水曜日のダウンタウン』で売れなかった芸人の曲の特集をやっててね(6月2日放送)。

大塚:企画で歌わされてもCDの売り上げに繋がらないからね。

大塚:KOJI1200『ナウ ロマンティック』。

みや:今田耕司ですね。曲を出してるのは知ってたし、『HEY!HEY!HEY!』に出てたのも覚えてるんですが、ちゃんと聞いた聴いたことなかったかも。

大塚:今田耕司さん歌唱、テイ・トウワプロデュースのテクノポップですね。芸人個人でプロデュースされて、アーティストとして売り出す流れを作ったのはこの曲がはじまりじゃないかな。当時のCDバブルの勢いもありますが。

みや:このころ結構芸人が曲出してて、その中にはこの曲みたいに、いま改めて聴いてもと良い曲も結構あるのに、ちょっと「芸人の曲」として、あんまり評価されてない感じあるよね。

大塚:テレビで企画で、ってのが多かったけれど。『ナウ ロマンティック』が無かったら、藤井隆の『ナンダカンダ』も無かっただろうな。

みや:浜ちゃん(浜田雅功)もいろいろ歌ってたりね。吉本が1番音楽にチカラ入れてた感じが懐かしい。俺らが幼稚園から小1、2くらいのころかな。


みや:俺はねえ……明石家さんま『幸せってなんだっけ』。おそらくキッコーマンのCMで聴いたことあるかと。ただ、ロングバージョンにはなんとも言えない哀愁が漂ってまして……。

大塚:CMはあんまりピンとくる世代じゃないんですが……。歌詞はどこで思い浮かべてるかがキモだね。<風ン中>なり、<夢ン中>なり。

みや:この曲は「私小説」っていうか、さんまのイメージありきなんだけど、普段”お笑いお化け”として喋りまくってるさんまが、夜中にひとりふと考えこんだりしてるイメージでね。さんまは若くして実の母親と弟と死別してるし、そういう経験もあってか、娘(IMALU)に「生きてるだけで丸もうけ」って意味の名前を命名してるんだよね。そういう「明るい人の影」のイメージかな。

大塚:悲しみがわかるから、ひょうきんさを演じられるといいますか。普段ああだからこそ、悲しみが伝わるといいますか。

みや:根っから明るい人の明るさと、実は影があって、それを隠すための明るさってまた違うものだよね。明石家さんまとはその究極系なのかも。


みや:ちょっと吉本に偏った人選になっちゃいましたが、芸人と歌って切っても切れない関係……というか、「歌ネタ」をやる芸人もいる大勢いるわけだし。今後も「芸人ソング」は出てくるでしょう。

大塚:『水曜日のダウンタウン』でも話題になったんだけど、アニメ『ケロロ軍曹』がやたらと主題歌に芸人を起用してたんだよね。

みや:次長課長とかね。麒麟のふたりが歌ってたエンディングが気に入ってました。

大塚:『サイクリングリサイクル』ね。売り上げは別としてキャッチーな曲が多かったの。

みや:俺はあとロンドブーツ1号2号の『岬』って曲が好き。作詞・作曲はTHE BLUE HEARTSのマーシー(真島昌利)。聴けば多分、一発で「マーシーの曲だっ!」ってなる。

大塚:亮くん、戻ってこれてよかったね。

みや:オトコふたりで豪雨のなかをドライブする歌詞なんだけど、「バディ」感がすごい好き。それはロンブーの関係にも、ヒロト&マーシーの関係にも通じる。

大塚:掘り下げればどんどん出てきますね。歌ってタレントのひとつの到達点ですね。


みや:読むラジオ『もっとトークへ』、そろそろエンディングのお時間です。確か前回これやってる最中に結婚発表したんだよね。あのふたり。……百恵ちゃんと友和。

大塚:今回昭和ネタが多いな思ってたけど、ノスタルジーにひたりすぎてタイムスリップしてない? え、マイコンでチャットしてる?

みや: 終始一貫そうでしたね……。 単に俺が「昭和のモノが好き」なだけです。とはいえ今回は偏りすぎたな……。

大塚: 読んでるあなたはついてこれてますか。時空の歪みからお送りしております。

みや:そろそろ真っ白に燃え尽きるんだ。我々は「明日のジョー」で……はない。ここまでのお相手はみやまると。

大塚: 大塚リョーマがお送りしました。明日はどっちだ。

みや:またお会いしましょう。さようなら~。



大塚:選択肢を誤るとひどい目に遭ってやり直しになったり、さらには延々話がループするんですよ!
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(文中一部敬称略)

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