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ミスターGO

(初出:旧ブログ2017-06-29)

 中国の奥地のサーカス団のゴリラとゴリラ使いの少女が、サーカス団の借金を返済するべくKBOの斗山ベアーズに入団し、怪力で次々とホームランをスタンドに叩き込むという、『メジャーリーグ』と『少林サッカー』と(見たことないけど)『キングコング』を足して作ったような映画だった。

以上。



 ……ホントにこれだけ言えば作品の98%を話しちゃったことになるんだけど……。まあ、「B級おバカ映画」として、飽きの来ない名作だと思う。人物描写の構成もわかりやすいし、ゴリラのホームランにチームメイトやスタンドのファンが歓喜する姿は野球ファンには心憎い風景だ。「野球とは家(ホーム)を出て、家(ホーム)に戻るスポーツである」という主人公の祖父の格言なんて、そのまま赤瀬川隼の小説に出てきてもおかしくないような言葉である。もっとも、このじーさんのせいでサーカス団が借金まみれになったんだけども。

 あと野球関係でちょっと気になったのは日本球団の描写。ゴリラの活躍を聞きつけ巨人と中日(オーナーはオダギリジョー。レオナール・フジタみたいなおかっぱ頭で出演している)が韓国まで観にやって来て(スカウトの仕事なのでは?)大ニュースになるのだが、2球団の紹介のされ方がちょっと変なのだ。「巨人と中日は日本で1番の伝統があり、お互いを最大のライバルと目し……」みたいな紹介のされ方だが、どうしても中日を「阪神」に置き換えたほうがしっくりくる描写が続く。あくまで推測だが阪神がこの映画への協力を断って、代わりに中日になったのかも。『ミスタールーキー』では甲子園だって貸したのに。なぜか阪神の映画なのに主人公がミスターの息子だったけど。『ミスタールーキー』のチームに断られたので、『ミスターベースボール』のチームにしたのだろうか。つーかこの映画含めて、「ミスター」って題の野球映画多すぎじゃないの?

#野球 #映画 #韓国野球

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