しかし(横井)小楠はとても尋常のものさしではわからない人物でかついっこう物に凝滞(こだわり)せぬ人であった。それゆえに一個の定見というものはなかったけれど、機に臨み変に応じて物事を処置するだけの余裕があった。・・・失敗を利用して、これを都合のよい方に移らせるのが常であった。勝海舟