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二次小説を書くのに向いている脳

今回は雑談です。
それは、とあるゲームにハマった友人にキャラクターの魅力を熱弁された時のことでした。

友人:「(キャラに関わる)妄想はめっちゃするんだよね。毎日する。めちゃくちゃ浮かぶ」

いいねー! それ二次小説とかにしないの?

友人:「無理、語彙がない。言葉が浮かんでこない。起こってる事を文字で説明できない。あと、自分の妄想を誰かに伝えたいとか評価されたいとかも全く無い。私は完全に供給受ける側でいいし」

軽率にアウトプットを勧めた所、このように言われました。
こんなに情熱があっても小説を書こう!とはならないのか―。

ということは、逆に。逆にですよ?
はい、ドン!↓↓↓

・語彙がある
・言葉が浮かんでくる
・起こってる事を文字で説明できる
・妄想を誰かに伝えたい
・評価されたい
・完全に供給を受ける側ではよくない

これに一つでも当てはまる人は小説を書くのに向いている人なのでは……?
これは完全にそうですね。言い当てちゃったな。ということでこれに当てはまった方、小説を書きましょう。

個人的に特に強いと思うのは
「妄想を誰かに伝えたい」
この「伝えたい」は創作意欲の根源、また言葉という道具の本質ですから、何ならこれがあるだけで小説書ける材料を持ってると言えます。言えます!だから書こ!


唐突に勧めたが、今回はただの日記なので小説の書き方解説とかする予定はない

です。

衝撃だった

なんとなく日記を書くくらいだし、私は「思ったことを文章にできない」という壁に当たって困った経験はあまり記憶に無い方です。そんなに高度な事もしようと思わないし(このくらいで「書けてる!オッケー」と思う方)。

毎日妄想しまくるし、萌えもエモもみなぎってるけど言葉にはしない??
人にも伝えたくならない?そうなの……?

私も別に毎日バリバリ小説書いてるわけではないのでいいんです。本人がそれでいいならいいんですが。

やっぱ表現したくなる、伝えたくなるって何らかの才能だよな…………。

今回言いたかったのはこれだけです。
ほら!!誰かに伝えたくなるんだよこの気持ちを!!

文章が浮かんでこない人はそもそも言語表現に適した脳の作りになっていない気がする

これも事実だと思うので、そういう人に無理に小説書けとは言わないでおこうと思います。
友人は「絵も模写しか出来ないから生産できない」と言っていましたが、たまにササッと落書きすると上手なので、多分絵描き脳の人なんだと思います。

私は実は下手くそな絵も書きますが、長時間絵を描いていると言葉が浮かびにくくなり、こうやって文章を沢山書いていると絵のイメージが浮かばなくなります。
お絵かき工場に繋がる通路と、文章工場に繋がる通路が脳の中にあって、どちらかだけを連続して使っているとそちらが太くなる(優先道路になる)ようです。

当たり前ですが、得意な通路を沢山使う方がストレスが少ないと思います。が、使い続けていれば発達していく予感もします!
どうしても文章で表現したい、文章を書く力を鍛えたいと思う人、文章での表現に沢山エネルギーを使い続ければ、そのうち回路が太くなるんじゃないでしょうか。私は逆に絵の方でそんな手応えを感じました。

文章が浮かんでこないのにどうやって言語表現に力を入れるんだってんだ

……と、そういう方がそう思ったかはわかりませんが、もしそんな壁を感じた人がいらっしゃったら、簡単な実験トレーニングをやってみませんか?
今ここに書きます。

例題:A君のなんかわからんが最高にエモい笑顔

妄想中、例えばこんな光景が浮かんだとしますね。
これを小説の一節っぽくします。

振り返ると、A君はなんかわからんが最高にエモい笑顔でこちらを見ていた。

はい、小説っぽくなりました。
でもこれではマズいそうなんですよね。個人的には好きですが、仕事でこれを納品したら多分突き返されます。
わからんのはこちら(読者)なのだ!書く側は「わかるように」書いてくれよ!!という事ですね。

少しでも書き手のイメージがわかるように……エモさの種類を少し分類してみましょう。まずは二分します。「なんかわからんが最高の笑顔」これは一体何なのか。

①嬉しそう・楽しそうな笑顔
②「嬉しそう」だけではない複雑な感情がありそうな笑顔

①は矛盾がない

「笑顔=嬉しい、楽しい感情」だとすると、①は気持ちと見た目に矛盾がない表情ですね。
①、矛盾がない映像を書く場合は、それを大げさに盛れば簡単だと思います。

振り返ると、A君はめちゃくちゃ嬉しそうな笑顔でこちらを見ていた。

さっきよりは怒られなそうな雰囲気になりました。多分まだダメですが。

振り返ると、A君は今まで見たことがないくらい嬉しそうな笑顔でこちらを見ていた。

これなら怒られないかも。
これは「どんなふうに嬉しそうな笑顔」かを詳しく書いた形です。
どんな雰囲気の(非物質)表情・姿(物質)なのかを考えてみると、「文章で説明できない」を脱却するきっかけになるかもしれない。と思いました。

・「どんな雰囲気の」の部分が思いつかない人

この部分には必ずそうなる理由があるので、その理由を探してみましょう
この例文の「今まで見たことないくらい嬉しそう」だったら、「今までにないくらい嬉しい出来事がA君の身に起きた」か、「主人公(視点の主)とA君が、今までなったことのない関係になった(今までの関係では見られなかった表情が今初めて見えた)」などが考えられます。

【!】更に一歩進んだ話をすると、この「どんな雰囲気の」の部分は具体的に内容が限定されればされるほど高ポイントになります。理論的には。
「めちゃくちゃ」だと漠然としていて何でも理由に当てはまりそうですよね。「今まで見たことないくらい」だと、「初めて」「過去最高」など意味が絞られるので、より的確な文章になります。的確=無駄がない=良い文章と思っています。
……サクッと書いたけど、これ文章作成のかなり重要なコツですね。こんな所で言っちゃったよ。

②は矛盾がある

②「嬉しそう」だけではない複雑な感情がありそうな笑顔
①に対して②は、「笑顔=嬉しい」以外の矛盾を感じる表情のようです。

何が矛盾しているのか?
・笑っているけど、実は悲しい(何らかの理由で隠している)
・楽しそうに見えるけど、実は腹が立っている(同じく隠している)
・嬉しいけど、恐れや心配もある(両方の気持ちを持っている)

「なんかわからんが最高にエモい笑顔」の中身を考えてみると、こんなふうに色んなパターンが考えられます。
さっきも書きましたが漠然としていて当てはまる事象が多い文章はダメ文章ですから、「悲しい」「怒っている」などと意味が限定されてくると良い文章になる可能性が高まります。

振り返ると、A君は悲しさを隠すかのような笑顔でこちらを見ていた。

これは多分なんかエモいやつですね。「実は悲しいのかも」というワードが入っているので、「なんかよくわからんけど」からは脱却しています。

振り返ると、A君は何か複雑な感情が入り交じった笑顔でこちらを見ていた。

また、慣れた人ならわざとこんな感じのボヤけた表現で済ます場合もあります。が、それでもその「複雑な感情」が何なのかは把握していないといけません(後から辻褄合わせするので。伏線回収とも言う)

何かエモさを感じた時は、一度できる範囲で言語化してみてから、こういった成分の分析をしてみるとどこをどういじれば良いのかわかるかもしれません。少なくとも今回の例では、表現を盛ればいいのか意味を限定すればいいのか特定できるかと思います。

文章を書く人にとっては当たり前の事かもしれませんが! 自然すぎて一々言葉にして考えた事がないという人には、もしかしたら役立つかなと……。

こういうことを考えてみる=感情や印象を言語化してみるという事では?

このトレーニングを頻繁にしていれば文章の回路が発達するんじゃないかと思いますが、どうでしょう。語彙を増やす・文法を学ぶ・お話を作る、などの手前の、もっと簡単な練習の話でした。
文章を全く書き慣れていない、文章が思い浮かばない!という人は、よかったら妄想のついでにやってみてください。あわよくば成果を教えてください。
楽しかった。こういう話は大好きです。ではまた。

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