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#読書感想文〜「一万円選書」でつながる架け橋

「あっ!一万円選書で有名な本屋さんの本」
そう思って、軽く手に取ったのが、運の尽き。
これは、迂闊に読んではいけない本でした。

「一万円選書」は北海道の小さな町の本屋さん、いわた書店の岩田さんが、考えた大人気のサービスです。

2007年から始めた「一万円選書」は、2014年にテレビで取り上げられ、検索サイトの急上昇ワードになるなどで、一気にブレイク。

申し込みが殺到したために、急遽、応募を締め切りました。

現在は、申し込み受付は年に一度、そこで抽選して、当たらなくては、このサービスを購入できないほどの人気となっています。

と、これくらいは、知っていたのですが、なぜ、そこまで人気があるのか?
ずっと、気になっていたのです。

そして、今回、この本を読んで、謎が解かれた一方、予期していなかった副産物がついてきました。

まず、この謎の答えは、単純に、選書する岩田さんの知識が膨大であること。

地方紙の書評を10年間、毎週続けて、その間に1500冊は読んだとのことですが、毎週最低3冊のペースで、読んでいたらしいです。

これは、確かにすごい読書量です。

そして、さらに、すごいのは、岩田さんの審美眼。
力のある本を見極めることが出来るっぽい。

その証拠に、掘り出し本を何冊も掬い上げているのです。
つまり、売れなくて、書店に並ばなくなってしまった良書。
これを、バンバン選書に入れる。

「一万円選書」に申し込みをする人の中には、本好きも多く、その人たちを満足させるには、彼らが知らない本や、自分では選ばないような本を紹介することが必要になってきます。

おそらく、そこが抜群なんだと思います。

ああ、そして、私がうっかりしていたことに、その岩田さんおすすめの本たちが、この本の中で、紹介されているのです。

「時代小説、歴史小説が苦手という人には、この作者の作品を薦めたい。」
「知られていないんですが、こんな良書があって。。。」
などなど。

もう、知ってしまったら、読みたいじゃないですか。

なので、今、何か読む本を探している方には、この本は参考になると思います。

実際に、過去に「一万円選書」をした中身なども紹介されています。

ただ、私は、今、自分の読みたい本リストを懸命に消化中だったので。
この自分のリストを、さらにさらに増幅させることとなりました。

これは、ちょっと誤算だった。。まあ、嬉しいんですけど。

とはいえ、この本自体は、軽い語り口で、さらっと読めるので、「一万円選書」に興味がある方には面白いと思います。

2019年の応募数は7000人だったそうです。
岩田さんが、質を落とさずに対応できるのは、年間1200から1500人くらい。

今年は、申し込んでみたいと思いますが。
当たれば、ラッキー?かな。




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