見出し画像

#読書感想文〜わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい

今回購入した「一万円選書」の中の一冊です。
(2024年7月に当選 ー 5/10)
「一万円選書」に関してはこちら→(

「わたしは驢馬に乗って下着をうりにゆきたい」
(鴨居羊子・著)(ちくま文庫・2007)

鴨居羊子(かもいようこ・1925-1991)は、1956年(昭和31年)、大阪で女性の下着の会社をつくった人です。

戦後の、白い質素な下着しかなかった時代に、彼女がデザインした艶やかでセクシーなランジェリーの登場は、大変なセンセーショナルでした。

また、エッセイストとしても、多くの著作を残しています。

この本は、彼女が新聞記者を辞めて、下着会社を興した頃のことが書かれていて、オリジナルは1973年に出版されています。

当時の世相が、生き生きと描かれていますが、文体は、かなり硬いです。

彼女たちの下着観は理論的に保守的である。というよりは、感情的であり、因習的なので、理論的に説明し、克服しようとしても、全然といってよいほど、その因習的態度をかえなかった。これにうちかってゆくには、どうしたらよいのだろうか。

154ページ

いつの時代も、切り込み隊長は、タフじゃないと、やっていけないなと、感じ入るものがありました。

なかなか、厳しい道を進まれていて、読んでいて、ちょっと疲弊しました。

それでも、現在起業しようと思われている方は、その心構えというか、信念のようなものに触れて、参考になるところがあるかも。特に女性。

女性でも、こんなに頑張っている先輩がいたんだと、勇気をもらえる方もいるかもしれないです。

常に、戦闘体制で、いろんな因習やら、しがらみやらと、ぶつかり合いながら、突き進んでいます。

私は、へなちょこなので、ちょっと辛かった。

でも、とても頑張り屋で、人に好かれる、素敵な女性だったんだろうなというのは、文章から窺われます。

弟は、洋画家の鴨井玲(かもいれい)です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?