#読書感想文〜不便益という考え方
こんにちは。
この先、便利便利の一辺倒に、社会は突き進んでいくのかと思いきや、不便の利点に目を向けている方々がいると知り、新しい視点を得ることができました。
「不便益のススメ」川上浩司・著
(岩波ジュニア新書・2019)
著者は、不便益に着目して、モノ作りをする研究チームの先生です。
著者の言う、不便益は、AIやデジタル機器のない、昔に戻ろうという懐古主義でも、便利さを捨てて、我慢して生活しようというものでもありません。
先端技術を使って、あえて、効率の悪いモノをデザインしようとしているのです。
その狙いは、「手間をかけるからこその益」。
便利ばかりを追求すると、手間をかけさせてもらえなくなり、そこでは、つまらなさが発生する。
例えば、100%自動運転が普及した社会では、もう、人間は危険なので、車を運転をさせてもらえなくなる。
先日、私は、ファミレスにて、入店から退店まで、会話が必要なかった記事(※)を書きました。
便利の行き着く先で、人間がつまらないと感じるならば、それは、やっぱりおかしいんじゃないか?
だから、手間をかけることで楽しいを、生み出すデザインがあっても良いのでは?という発想です。
本では、ゴミの近くまで来て、ゴミを拾って入れてくれるのを待っている、ロボットゴミ箱。
自分でペダルを漕ぎながら進む、足漕ぎ車イス。
などが、紹介されていました。
不便だからこそ、楽しい。やりたい。
この発想で、私も考えてみたら、いくつも思い当たりました。
今、部屋の外では、私の大好きな桜の花びらが、風に吹かれて舞っています。
もしもこの先、技術が進んで、桜が一年中、日本のどこでも見られるようになったら?
観光産業は、嬉しいかもしれません。
でも、そうなると、桜に対する思いは、今とは違ったものになってしまうでしょう。
この本は、先日、ジュニア新書のキャンペーンの対象本だったので、購入してみたのですが、やっぱり、なかなか面白かったです。
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