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#読書感想文〜やがて訪れる春のために
今回購入した「一万円選書」の中の一冊です。
(2024年7月に当選 ー 2/10)
「一万円選書」に関してはこちら→(★)
「やがて訪れる春のために」はらだみずき・著
(2023 新潮文庫)
この小説は、良かった。気に入りました。
私のお気に入りポイントはまず、
各章立てが二十四節気。
立春・穀雨・立夏・・・と進んでいくのですが、こういう趣向を凝らした仕掛けは大好き。
とりあえず、現在の暦がすぐわかるように、二十四節気の対照表を、手元に用意して、読み始めました。
さらに、お気に入りのポイントとしては、
この小説は、孫娘が祖母の庭を再生させるお話で、植物の描写や花の名前が、作品中にたくさん出てきます。
こちらも、お庭の花木の名が出るたびに、スマホを使って、画像を確認。
自分の想像と答え合わせをしながら読み進めました。
季節も感じられて、とても楽しい。
実は、東京には、北海道では馴染みのなかった花が多くあり、越して来て以来、もやもやしていたこともあったので、ちょうど良かった。
自分の中で、名前とお花が整理され、スッキリしました。
それにしても今は、スマホですぐに検索できて、本当に便利ですね。
私が10代の頃は、辞書を片手に、小説に出てくる語句を引きながら読んでいたのを思い出しました。
漱石なんかは、そうして、読んだものです。
また、この主人公が20代の女性なのもあって、著者は女性だと思っていたのですが、Amazonで男性と知り、びっくりしました。
植物やお庭などの、描写はとても繊細ですが、その一方、骨組みは力強く、緻密に練られた作品だと感じました。
所々に散りばめられている謎が気になり、つい、先に進んでしまうのも、作者の巧妙な仕掛けです。
読後感はかなり良いので、疲れた時や癒されたい時に、安心して読めます。
庭いじりが好きな、大人も楽しめる小説だと思います。
ちなみに、これも、文庫の解説は、いわた書店の岩田さんでした。選書に入れたくなる気持ちもわかる気がします。
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