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ローマ観光の予習は『イタリアの古都と街道(上)』という本がおすすめ

今年(2023年)の夏、新婚旅行先の一つとしてローマに行く予定です。

ローマ訪問は今回が初めて。かつ、フリープランのツアーで行くので、観光ルートは自分で決めないといけません。

ローマの観光スポットをネット検索するとたくさん出てきますが、私が観光に使える時間は丸2日間くらいしか無いと思うので、どこを巡るか厳選する必要があります。

また、ローマでの観光は古代遺跡や歴史的建造物の見学がメインですが、それらが建てられた背景を知っておかないと、実際に訪れた際にイマイチ感動に欠けてしまいます。さらに、現地の日本語ガイドツアーに参加するとしても、ある程度は前提知識がないとガイドさんの説明がきちんと頭に入らないでしょう。

そこで、ローマ観光の予習として『イタリアの古都と街道(上)』という本を読みまして、とても参考になったので、この記事でご紹介したいと思います。


著者の紅山雪夫さんは、海外添乗員さんの世界では有名

この本を知ったきっかけは、下記のYouTube動画でした。

動画の2:00~6:25頃に紅山雪夫さんの説明があります。

「添乗員なら皆読んでる」と動画内でおっしゃっていたので、動画を見た数日後に図書館に行き『イタリアの古都と街道(上)』を借りました。

ちなみに上・下巻がありますが、ローマについての記載は上巻です。また、上巻は計254ページあり、その中でローマ中心部についての記載は11~149ページまで。150~196ページまで読むとローマ近郊の紹介もあります。

一番参考になったのは、「古代遺跡はまずパンテオンを見てからその他を見る」こと

この本では、ローマ中心部については「古代ローマに関するもの」と「キリスト教の時代に関するもの」の大きく2つに分けて解説してあります。

なかでも特に古代ローマの説明が充実していて、その成り立ちから滅亡までの歴史が、ほとんど前提知識が無くても理解できるように書かれてあります。

また、古代遺跡についても、それらが建てられた経緯等が記載されているのですが、その遺跡めぐりをする上で一番参考になるなと思ったのが、「古代遺跡はまずパンテオンを見てからその他を見る」という点です。

パンテオンは西暦125年頃に完成した神殿で、万(よろず)の神を祭る所という意味。このパンテオンがほかの遺跡と違うのは、”ほぼ完全な姿で現代まで残っている”点です。

ドームを支えているまわりの壁は煉瓦造りで、六メートルあまりの厚さがある。堂内を飾っている石柱、壁がん、化粧張りの大理石などはほぼ完全に残っており、古代ローマの建築がいかに堅固で美しかったかを物語る唯一無二の実例となっている。後世に修復や改装の手が加わった部分でも創建以来の基本プランは守られていて、化粧張りの大理石の半ば以上は創建当初のままだという。このパンテオンで古代ローマの建築の仕上げがどのようであったかを頭に入れ、そのあと今では荒れ果てて芯積だけになっている遺跡を見ると、往時の盛観が偲ばれて非常に興味深い。

紅山雪夫著. イタリアの古都と街道(上). 株式会社トラベルジャーナル, 1995, p.96.

ローマの古代遺跡見学で特に有名なものはコロッセオやフォーロ・ロマーノですが、それらの遺跡はこれまでに破壊や石材略奪、大地震による崩壊等によりボロボロになっているため、パンテオンのように綺麗な状態を見学できる遺跡は珍しいようです。

この本を読む前はまず最初にコロッセオに向かおうかなと思っていたのですが、「まずはパンテオンに行って、古代ローマの建築物の完成形を目に焼き付ける」というのが大事だと気付かせてもらったのは大きな収穫でした。

キリスト教については別の本での予習が必要

古代ローマについての説明は前述のとおり大変充実していると感じましたが、それと比べると、キリスト教についての説明は少し薄いように思いました。

例えば、ローマにあるキリスト教関連のもので一番有名なのは「サン・ピエトロ大聖堂」だと思いますが、この大聖堂が作られた背景等は書いてあるものの、キリスト教の知識がほぼ無い私からすると「そもそもキリスト教とは?」という初歩中の初歩の疑問が浮かびます。

そういった、キリスト教についての大前提の知識は『イタリアの古都と街道(上)』では見当たらなかったので、また別の本で勉強する必要があります。

ちなみに私は下記の『地図とあらすじでわかる!聖書』でキリスト教の概要を予習しました。まったく無知の状態でもスラスラ読めて理解できたので、最初の入門書としておすすめです。

最後に

『イタリアの古都と街道(上)』を読んで、ローマ観光に役立ちそうな知識としてざっくり下記のような情報を得ることができました。

  • ローマ観光は大きく「古代ローマに関するもの」「キリスト教の時代に関するもの」の2つがある。

  • 古代ローマは約1000年間続いた。建国は紀元前700年ごろ、全盛期は1~200年、滅亡は476年。

  • 古代遺跡はまずパンテオンを見てからその他を見る。

  • 各遺跡や建造物が建てられた経緯。

キリスト教のそもそもの成り立ちに関しては別の本を読む必要があるので、これ一冊でローマ観光はすべてバッチリ!とはいきませんでしたが、自分にとって必見の遺跡や建造物の絞り込みはできましたし、古代ローマについての前提知識も得られたので、旅行前に読めて良かったです。

ローマへの旅行に興味がある方、実際にローマに行くことが決まった方には、『イタリアの古都と街道(上)』をぜひおすすめします。

そしてキリスト教の予習もしたい方には『地図とあらすじでわかる!聖書』も合わせておすすめします。

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