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【本紹介#145】過去の自分より

手紙というのは不思議なもので
感情を込めて書いたものほど、人の心を揺さぶります。

先日誕生日を迎えた私ですが、その際夫が手紙をくれました。
夫はたぶん筆まめではないけれど、以前私が欲しいと言ったことを覚えているのか、イベントのたびに書いてくれます。(十分筆まめ?笑)
その手紙はどれも嬉しくて、たまに泣いちゃったりもしたりして、どれも大切に保存しています。

手紙というと貰う側としてはとてつもなく嬉しいものですが、書いて渡す側は感情を込めれば込めるほど、恥ずかしかったりしますよね。笑
日常的に顔を合わせる相手だとすると、余計にどんな顔すればいいんだ…なんて思ったりしちゃいます。

日記なんかもそうですが、自分から自分へ向けての手紙なんてものもありますよね。
ある程度年数が経ってから読んでみると、こんなこと考えてたのか…という驚きと、なつかしい思い出が次々よみがえり、当時の想いなんかも一緒に伝わったりします。

そんなことをメインの題材に書かれた小説について、紹介させてください。

小説といえば喜多川さんしか紹介してませんね…
喜多川さんについて熱く語った記事は他にあるので、今回はちゃんと内容に触れます。笑

SFのイメージが強かったのですが、この本はSF要素はありませんでした。
タイムカプセルを数年預かり届けることを生業として行っている会社のお話。

主人公は起業に失敗し就活を通じてこの会社に転職が決まったおじさん。
年下の先輩に仕事を教わりながら、一緒に届かなかった手紙を本人へ直接届けに行きます。

届かなかった手紙たちは、いったいどんな理由で届かなかったのか…
手紙を届ける行為を通じて、様々な人の人生と関わりを持ちます。

過去の自分からの手紙を読んだときの反応も様々。

この本を読みながら、10年前の私はどんなことを考えてたのかなあと思い返していました。
10年前といえば、大学生…うわあ、もうそんな年なのか。
大学生の私はたぶん、就職しつつ結婚して共働きで子供も産んでいると思ってたんじゃないですかね。
子供いらないかも…なんて気持ちになったり、独立したいなんて思ってもいなかったと思います。

40歳の私はなにを考えているのかな。
未来の私へ手紙を残してみようかな。なんて考えてみたくなる。そんな本でした。

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