世界への挑戦 From 種子島〜Vol 2〜
成し遂げたい”未来”と大切にしたい”今”の狭間で悩んでいた須田 那月さん。両親から勧められて訪れたオーストラリアで見つけたのは、自らが目指す未来の明確なビジョンだったそうです。
世界に通用する技術はどう身につけるのか、そしてどうすれば自らの夢を叶えることができるのか。
漠然としていた未来がくっきりと浮かび上がった時、もう彼女の心に迷いはありませんでした。
高校入学…迷う間もない多忙な日々
プロサーファーを目指すため、そしてプロとして活動をしていくために東京の通信制の高校へ入学したんです。
プロになったのは中学卒業してすぐの頃…15の春でした。(当時最年少のプロサーファー選手)
その年にアマチュアで日本一になりたいって思っていたので、大会に出て優勝して…その後からプロとしての活動を始めました。サーフィンと学業の両立が本格的に始まった時期です。
高校入る前までは、通信制のイメージ的に全日制よりも結構時間にも余裕があるものだと思っていたんですけど、全然違いましたね笑
提出課題の期限が1週間に何個もあるような感じで…練習とトレーニングと課題をこなしていたら本当に遊ぶ暇もないくらいでした。
だけど、私集中する時間が好きだったので課題が苦にはならなかったです。
サーフィンって遊びでしょう?って言われることが嫌だし、両立が中途半端になってしまったらそれこそ遊び半分に見えてしまうので…
そういえば、中学生の時もテストの順位が落ちないようにかなり勉強していましたね…
多分、すっごく負けず嫌いなのかな?笑
そもそもなぜプロに?〜現実的に夢を見た少女の強さ〜
プロになったのは、遠征費がかかることが1番の理由でしたね。
私と弟がサーフィンをしているんですけど、両親が遠征費を工面してくれていて。
サーフィンを始めた頃から、遠征費でいくらかかっていて、家計でいくらかかっていて…って家族間で金銭面の情報を共有していたんですよ。
競技を続けていく上で、モチベーションの維持はもちろん、続けるにあたってかかる費用を工面することも必要ですから。両親の負担を減らしたいって思ったら、自分がプロになってスポンサーさんから応援してもらうことが1番の方法だと思ったんです。
サーフィンを続けていくためにプロになったって感じですね。
活躍を阻んだ試練〜立ちはだかる壁、どう乗り越えた?〜
東京オリンピックの前に、手術が必要になる大きな怪我をしてしまいました。
ただ怪我をした時は、東京オリンピックに余裕で間に合うでしょ!って思っていたんですよ笑
だけど、手術が終わった後、結構長い間痛みが続いてしまって。自分で髪の毛も洗えないし、寝れないくらい痛みが続きましたね。
思っていた以上に動けなかったんです
それでも、サーフィンをやめようとは思いませんでした。
スポンサーさんとか友人、家族からたくさん暖かい言葉をもらって、ここで諦めちゃだめだなって気持ちが逆に強くなりましたね。
特にスポンサーさんから応援の言葉をもらった時は、怪我をして活動を休止しているのに、こんなに暖かい言葉をもらえるなんてって元気付けられて
そんなみんなの気持ちに答えたいなって改めて思いました。
楽あれば苦あり〜全てを乗り越えた先に待っている景色〜
サーフィンの練習はいつも海だけってわけではなくて、波が悪かったりする時とか、持久力をしっかりつけるためにもジムでトレーニングするんです。
ただ私、陸のトレーニング好きじゃないんですよ笑
必要だからしっかりしますけど、やっぱり海で実際に練習する楽しさとか気持ちよさには勝てないですね笑
けど大会で勝った時の『やった!!!!!』って気持ちを味わいたい一心で必死にトレーニングしています。
勝てた時は応援してくれている家族とか知り合いとか、スポンサーさんにちゃんと恩を返せたなって思えて、心から「良かった!」「やった!」って思いますね。
大会に勝つことはスポンサーさんから応援してもらっている私の仕事だから、責任を果たせたことへの安心感なのかもしれないです。
『大会で勝つことが自分の仕事。』
そう言い切った彼女の強さから垣間見えたのは、周囲を思いやることのできる繊細さでした。
負けず嫌いだと笑う彼女は、負けず嫌いなのではなく、誤魔化しを許せない正直者なのでしょう。
しっかり努力したのなら、可能性は広がっていく
そう信じながら、「できること」そして「できないこと」ですらも懸命にこなしてきた彼女だからこそ、私たちは目が離せなくなってしまうのです。
悩んだ過去ですらも、愛おしい思い出を話すかのように
明るく穏やかに語ってくれた須田那月選手。
まだまだインタビューは続きます。
プロサーファーの夢を叶えた今、須田選手がどのような夢を描いているのか…彼女が見つめる未来を教えてもらいました。第三弾、ご期待ください。
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