選択肢の多様性と選ぶ自由、フラットな社会

なぜ女性だけヒールを強要されているのか?
なぜ女性の制服はスカートなのか?

などなど話題になりがちな問題

とかく暗黙の了解が多いこの国ならではの話も多い

ヒールについて言えば、就活のときにパンプスを履いてないと絶対に落ちる、かどうかは不明だし
いや、そんなに嫌なら別にスニーカー履いたら?と思っている役職者なんかもいるだろう

canかcan'tかで言ったら、ヒールを履かないことはいつの時代でも可能だし、男性がヒール履いたっていい
別に逮捕されるわけじゃない

ただ、ここで出てくるのが暗黙の了解

常識的に考えて、フツー、スーツにパンプスで来るっしょ、という世間体

スニーカーであえてくるなんて、そういう主張をする面倒な子かもしれない
会社のルールにも噛みつきそう、空気が読めなそう、等々

クールビズに関しても、会社からのしっかりとしたおふれがない限りは個人で始めるのはちょっとネ、足並み揃えないとネ!という風潮

ようはヒールを無理に履かなくてもいい、とか
ネクタイをしめなくてもいい、ジャケットを着なくてもいいという主張が認められたとして

それが世間様の暗黙の了解事項から抜けていないとまったく意味はない

世間がうるさいからと、面接は好きな靴で、好きな服装でお越しくださいと会社のホームページに書いていたとして
実際はフツー、スーツにヒールありのパンプスだろ?という人が面接していたら私服にスニーカーの人は落ち続けるわけだし、
下手したら企業側はほんとに服装に頓着していなくても、応募者側がビビって皆スーツで来たり、就活アドバイザーなんかもスーツで行けと言ったりするだろう

現状は面接に向かう心構えとして、どんな服装で来るのか、という部分でまず最初の常識力をはかっている要素が強かったりもする

別の選択肢を提案したり、今の選択の無意味さを主張したり、そうして選択肢を増やせたとして
その先の世間が受け止める度量がない限りはまったくかわっていかないのが現実だ

女性だけがなぜヒールを履かなきゃいけないの⁈と主張する人の中にも、男性がヒールを履く自由については認めない人もいるだろう
だって男性がヒールなんて気持ち悪い、という女性と
女性にはヒールを履いてほしい、女性らしいからという男性の何が違うんだろう
性を理由に決めつけたり、理想を語ったりしてる点で同レベルなのだ

女性の制服がスカートだけでなくズボンも履けるようになった場合、
逆にズボンじゃなくてスカートを履き続けている子が同性から男子にコビを売っている、なんて言われかねないし、
痴漢なんかにあった日には、ズボンにすりゃいいのにスカートなんか履くからだ、と言われてしまうかもしれない

選択肢を増やす主張はもちろん大事だが
選択肢を選ぶ方もそれをとりまく環境も全部フラットに出来るかがかなり大切で、
結局差別にあったり、セクハラされたり、偏見をうけたりするのならば
表面上選択肢が増えたところで何も意味はない

女性の性を売りにしたものも最近はかなり叩かれやすいけれど、
男性が女性に強要したり、他の女性もそれで喜ぶと思われたりするのが問題なわけで
谷間を見せたりボディラインを強調するのが好きな女性もいる

それはそれで性を強調したい、という自由もあるべきだし、
ただ単にそういう服装がオシャレで好きなだけの女の子が、男性に迎合してそんな服装してるから女性が軽く見られるのよ!と叩かれてしまうのも、また違う

ヒールを履かない自由も履く自由も平等にあるべきで、それをみる側がとやかく言ったり、判断しない世の中になったとき、真に自由な世界になるのだ、と思う

人は自分がやりたいけど出来ないことややりたくないのにやらされていることを声高に主張しがちだけれど、
全員がやりたいわけじゃないし、全員がやりたくないわけではない

女性を代表して戦ってるのよ、という感じの人に対して
いや、代表してもらった覚えはないが…と思ってしまう、
そんな私はお茶汲みOLになりたかった人間だ

女性にチャンスが与えられないこと、女性が出世しづらいこと、同じぐらい仕事している女性がプラスアルファでお茶まで入れなきゃいけなかったこと、それを男性がまったく疑問に思ってなかったこと、が問題だっただけで
男性もお茶汲みになれるし、女性も課長になれるし、って世の中で良かったんだけどなぁ、と思う
当時も誇りを持ってお茶汲みや雑務をこなしていた方はいたはずで、おしなべて不満に思っていることにされて憤慨していた人もいたはず

大事なのはどんな選択肢でも誰もが選べて、その選択肢を選んだことに対しての責めを受けないこと。
やる自由もあれば、やらない自由もあること。

決めつけない、決めつけられない
しばらない、しばられない

フラットな世界がいつか来ますように



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?