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「世間にとって私は出来損ないの天使だけど」

家族6名で小旅行(車で1時間強)に行っただけで割れそうな頭痛にノックアウトされ、早めに帰宅したあとも、ろくに家事もやらずにずっと寝ていた。けさ起きたら喉に小さい球が詰まっているような異物感があり、調べたらこれもストレスから来る症状の一種だと。どんだけ素直やねん、身体。風邪を引いたわけでもないのに喉に種みたいなものがひっかかって取れないような感覚を覚えることを、「咽喉頭異常感症」と呼ぶらしいですが、こいつは別称「ヒステリー球」とも言うそうです。笑う。たしかにわたしのヒステリー的気質によって生じている感はある。ただ熱はないし、そこはかとなくだるいだけなので様子見で出勤した。こういう不定愁訴で休んでいたら有給がいくらあっても足りない。

LE SSERAFIMの『Swan Song』や『EASY』の和訳を読むと、えっそんなこと言ってたの、という驚きがある。ゆったりした曲調で心地よく聴いていたけども、歌詞は凄く切実でせつないものだった。ルセラは強い女というか、デビュー曲どおりFEARLESS(恐れ知らず)なコンセプトのグループだと思っていたけど、今回は違うんだなと。「怪我をするとしても道を行く 私を受け入れて」「照明が消えた後 私は夜をうろつく 何が正解で私の権利なのかもわからないまま」「嫉妬 疑惑 不信 今や私の味方なの 世間にとって私は出来損ないの天使だけど」(『EASY』)。……こんなん言われたら、泣きます。「私はたくさんの名前で呼ばれている 中古品とか」「いくら満たしてくれても愛に飢えている 怖いな 欲望が私を壊す」「悪質なコメントは書かないで また私を公開処刑にするだろうから」「泳げば泳ぐほど辛い水の中 それでもずっと波を打ち消しながら進んでいる」(『SwanSong』)。優雅な曲調に隠された痛烈な叫び。ますますルセラに共鳴していく。苦しみを苦しみとして受け入れていく姿勢。好きだ、と思う。

わたしはわたしの弱さを悪いものだとは思わない。弱いから慮れる。実感できる。許せる。そういうことはたくさんある。傷付きながら進むことで、同じ傷を持つ人を癒せるかもしれない。それがわたしが生きるのをやめないひとつの理由だ。

(タイトル引用)
LE SSERAFIM『EASY』

(和訳引用)

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