今宵の月のように2 クリシェ進行

まぁ、ポップスではよくあるコード進行で、ツェッペリンの天国への階段はイントロからこのクリシェ進行です。
エレファントカシマシの代表曲「今宵の月のように」でも使われています。
そして、宮本浩次さんのソロシングル「昇る太陽」でも使われていますが、8小節にわたり同じ進行ですが、随分印象が違うのは何故?
ということで、考察してみました。

この二つには大きな差があります。
今宵の月のようにではAメロに、昇る太陽ではサビ(イントロも)に使われています。

クリシェ進行でよくあるのがルート音が4つ下がったら、続きは元の1度上のルート音にてまた下がっていく。
C-C/B-C/♭B-A   Dm-Dm/C#-Dm/C-G7
これは「今宵・・・」も「昇る太陽」も同じです。
メロディも一回目と同じ音を一音ずらしてなぞっていくものが多いのですが、「今宵・・・」は1音下げて、「昇る太陽」は1音上げてなぞっています。

今宵の月のようにの1音下げてなぞるメロディは、次のBメロへいかにも続く!という感じですが、最後の「ひとり見上げた」のフレーズ(2回出てきますが)が私は印象深いのです。普通ならこのG2ではなく、A3のお隣の音、G3でしょうか。だったら、すごく平凡ですねぇ。ふむふむ。

分かりやすくKeyをCでそろえてみました。
●今宵の月のように(Aメロ)↓↓
1小節目初めの音はE3に対して5小節目初めの音はD3

余談ですがこの曲が意外にカラオケで難しいのはこのオクターブ以上さらりと下がるメロディのせいだと思っています。
下の音から上ヘ上がるオクターブはわりと音が捉えやすい。
その逆は実は難しい・・。

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●昇る太陽(サビ)↓↓
2小節目初めの音はE4に対して6小節目初めの音はF4

昇る太陽はイントロも途中までは同じコードですね。
このサビ、メロディが上がって、太陽が昇ってくるイメージですね。この後の展開でkeyCならA♭4の音が出てきて、曲を通して音域は2オクターブと半音。とてもじゃないけど歌えない。

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「今宵の月のように」はBメロも印象的な音がありますね。↓↓

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D4#の音です!この音がBメロを印象付けていると思うのです!
この音を挟まず、その前のF#4をD4にしてB3へつなげるかなぁ、私は。

さて、このクリシェ、「夜明けの歌」や「ネバーエンディングストーリー」などで使われていますが、それぞれアプローチが違いますね。
「夜明けの歌」はメロディは動かず、ベースラインが動く。
「ネバー・・・」は曲の骨格として繰り返して使われます。なんとなくビートルズのミッシェルに似ているかなぁ。いや、ミッシェルはもっとコードが複雑・・・うううぅ。

エレカシで学ぶ作曲法みたいになってきたけれど、歌詞を紐解くサイトは数多あれど、曲想を考察するサイトは見かけないので、気の向くままメモ程度ですが綴っていこうと思います。


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