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三宅村の農業者と先進地視察を行いました

令和5年1月26日、27日に三宅村の認定農業者5名、農業長期研修生1名が先進地視察を行い、三宅支庁農務担当も同行させていただきました。
 
農業先進地視察は、島内における新たな農作物の生産確立、農業先進技術の導入事例研修、
青果、花き市場の最新トレンド品種の勉強などを目的に、三宅村主催で年に1度実施しているものですが、コロナ渦で開催中止が続き、3年ぶりの開催となりました。
 
 
視察1日目は、都内先進農家2戸の視察を行いました。
 
まず、施設イチゴを栽培している農家さんを訪問しました。
美味しいイチゴをなるべく長い期間出荷するため、栽培管理や品種の選択などに工夫をされていました。産地と消費地が近いという利点を生かし、完熟で収穫し直売ができるのが、都内生産者の強みであることを学びました。


続いて、環境制御システムを活用してキュウリやトマトを栽培している農家さんを訪問しました。
環境制御システムとは、ハウス内に取り付けたセンサーでハウス内の温度や照度を感知し、農作物にとって理想的な環境条件になるよう、空調などの設備を自動制御する仕組みです。
天候や属人的な管理による作物の生育への影響が少なくなり、効率的で生産性の高い農業が可能になります。
施設の規模とセンサーボタンの多さに圧倒されてしまいましたが、この農家さんも、試行錯誤を重ねながらシステムの管理方法を習得し、収量増を実現したそうです。

ハウス内にセンサーの制御盤がたくさん

近年、三宅村では、施設栽培への取り組み事例や、イチゴなど新たな作目への取組事例が増えている中で、栽培技術の習得と向上が喫緊の課題となっています。
今回2戸の農家さんに栽培技術や経営についてお話を伺うことができ、また新たな作目や栽培技術習得に挑戦を続ける農家さんの情熱や姿勢に刺激をいただき、有意義な視察となりました。
 
 
 
視察2日目は、令和4年1月に開場したばかりの新生成田市場を視察しました。

成田市場は、その立地を生かし、海外輸出に力を入れている市場として注目されています。
検疫や通関などの煩雑な輸出入手続きを市場内で完結できる日本初の仕組みにより、
国内の農水産物をより簡単に、かつ新鮮な状態で海外へ輸出することが可能になったということでした。
開場したばかりの市場はとても清潔に管理されており、衛生面への配慮が各所に見られました。
青果棟、水産棟などは棟毎に独立閉鎖型となっており、
各施設の入り口には手指のアルコール消毒と入口ドアの開錠が連動する仕組みが導入されていました。

アルコール消毒をすると入口ドアが開きます


視察の最後には、池袋サンシャインシティで開催された関東東海花の展覧会に参加しました。

今年の当番県・愛知県の展示 


三宅島からは、切葉7点(キキョウラン6点、サカキ1点)が出展されました。
 
三宅島では、切葉類は平成12年の噴火災害以前からアシタバと並んで基幹作物の1つでしたが、噴火後は火山ガスの影響で出荷が激減しました。
しかし、火山ガスに強いキキョウランを中心に、切葉の生産地として復興を遂げています。
今回の花展では計12点のキキョウランが出品された中で、三宅島のキキョウランが金賞&銀賞を受賞しました。
 
また、サカキは現在国内流通のほとんどを中国産が占めていますが、神事行事にかかせないものであることから、国産サカキへの注目が高まっています。そんな中で、三宅島では新規就農者が令和2年からサカキの栽培を開始し、今回見事銀賞を受賞しました。
 
三宅島からの出品は、7点中3点が入賞という好成績となりました。

キキョウラン


サカキ


以上の行程で、2日間の視察が無事終了しました。
今回の視察が、三宅島の農業振興に繋がると嬉しいです。


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