M-1感想文
ほとんどくらげとシシガシラのことを書きます。
くらげとシシガシラ決勝進出おめでたかった。
今年は敗者復活戦をリアタイしなかったので決勝が始まる直前に「敗者復活はシシガシラ」と画面に写っていて叫んでは妻にキモがられたものだった。
さてこの2組はどちらも大枠としては見た目で笑わせるところで漫才のスタイルが似ていると思う。
シシガシラはハゲネタ。くらげは無骨なオジサン風の顔立ちの男が繊細であるギャップ系のネタ。
その手のスタイルの漫才師は、前提の認知度にウケがかなり左右されるイメージがある。この状況に対して、笑っていいんだよってのを教えとく必要があるというか。
予選や敗者復活戦はお笑いオタクしか見ていないからもちろん各組の過去のネタも知っているし、過去の予選段階の歴史も頭に叩き込まれているので、それを踏まえてシシガシラの敗者復活ネタやくらげの決勝ネタで笑うことができるが、決勝の審査員や視聴者の多くについてはそうでないことが多い。そのためどうしても初出場であれば自己紹介ネタを1本目にしないといけなくなる。
だからシシガシラが決勝でネタを変えて、真骨頂に近いありネタをした選択はすごく正しいと思うし、その上で決勝の場でウケきれないというのもまた理解できる。
かといってくらげが、決勝のトリ付近の出順で、自身が決勝進出を決めた勝負ネタをなげうって、例えば2019年の敗者復活ネタをやったほうが良かったかというとそれも違う気がする。2021年のももみたいになるだけだろうし。
シシガシラの敗者復活ネタもくらげの決勝ネタも、見た目で笑わせる内容なのにツッコミを観客に委ねている作りになっていて、それはやっぱ私はすごく好きなんだけど、いわゆる賞レース向きじゃないみたいな評価を受けかねない綱渡りなところがある。
そこの評価点はやはり審査員の匙加減によってしまうのだろう。
ネタの種類は違うけど2020年に東京ホテイソンが満を持して決勝進出をしたときに本当に満を持すぎたせいでネタがもうアンミカドラゴンまで進化してしまっていて、クリオネの尺系のネタでよかったんじゃないかと思ったことが記憶に新しい。この葛藤は一生あるのだろう。逆にでも見取り図が初めて決勝進出したときにアタオカとスポブラをテレビで見れた感動は今でも覚えていて、そういう境界線が変に曖昧になってしまっているのだろうか。
2019年にかまいたちが出順でネタをUFJに変えたこととか、2020年にマヂカルラブリーが上沼恵美子を気にしすぎて1本目にフレンチを持ってきたこととか、今年令和ロマンが決勝に向けて4本ぐらいいろんなスタイルのネタを仕上げて出し入れしたこととか、そういう結果的に功を奏した話だけじゃなくて、各々の背景がもっとフィーチャーされたらなと思う。勝ったやつが偉くてそれ以外は雑魚みたいなのは悲しい。そんなこと起きてないか。
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