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森へのパスポート

のどかな田舎へ引っ越してきた家族の話。教授のお父さんと天真爛漫な姉妹はお母さん不在の中、新生活が始まる。時に喧嘩をしたり地域の繋がりを通し成長していく中で森の中で不思議な化け物に出会う物語だ。気になる女の子ができた思春期の男の子や離れて療養するお母さんの愛情なども物語の見所でした。化け物の姿は子供しか見ることはできないのだが、運が良いと見られることやこの森の主といったキャラクターの特徴を定義するのはお父さんだ。実世界において評論家や学者の存在の意味を感じた。普段教授をしているお父さんがメイの体験を聞き、受け入れてから定義するまでがスムーズだったシーンはとても胸熱でした。メイの「ほんとだよ!トトロ見たもん!」に対するお父さんの反応に感動しました。またお母さんの仮退院の予定が飛んでしまった時、サツキはぐずる妹を突き放した後、妹と同じことをおばあちゃんの前でしてしまう姉の姿に涙がでました。病院からの電報に不安になるサツキに対し事実確認と今後の動きを冷静に伝えるお父さん。道のりと道筋を想像する前に条件反射で歩き出すメイ。そして池に浮かんでいたサンダルをメイのものだと勘違いしてしまい必死に何でもない池に祈り続けるおばあちゃん。ひとつの出来事に対して登場する人間の捉え方や想像力だけで物語が転がっていく様子に人間味や愛おしさを存分に感じました。今日ひとつ映画を観たというより、明日から観たことのない映画がひとつ減ったような気分だ。今日となりのトトロを観ました。

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