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#53 調理場再編に向けて共有すべき大事なこと

さて、数十年先を見据えて約60ある調理場を共同調理場に集約していくには、献立、食材調達、配送、食育、アレルギー対応などなどいろんなことが連動していくことになるという説明をしてきました。
実際、全体計画を作成して、学校現場や学校栄養士、行政内の関連する各課、市議会や住民などに示した時に、気をつけておくことがあります。それは「自分に関わる部分しか見ない人がほとんどである」ということです。どんな事業でもそうですが、大体、なかなか複雑な全体構造を俯瞰して理解できる人というのは少数で、まずは、このnoteで私が今まで説明してきたことを知らない人が多い、ということを前提に戦略を考えていかなければいけないのです。


センター化で目指すのはコスト削減か?

計画を作成する前には、現状を把握できるようにデータを整理する必要があります。人件費も含めて詳細を把握することができれば、集約化することのコスト削減については、かなりの高い精度で試算することが可能となります。
コスト削減というのは、人口減少=税収減少なので、行政がおこなうどんな事業であっても大事なことなのですが、これ自体が目標や目的にはならないと思っています。これは、行財政改革の視点で見れば「当たり前」の話で、地方自治法にも「最小の経費で最大の効果を挙げる」とされていますからね。
では、なんの目的で調理場集約化を図るのか?
私が、倉敷市で目標として設定することに決めたのは、「将来を見据えた社会変化に対応した持続可能な給食提供を目指す」ということです。これは、ハード面とソフト面の両方からアプローチすべきことで、この目的達成のために実行計画を積み上げていく、という考え方を徹底することが本当に大事です。関係する職員も民間事業者もいろんな障害を乗り越えていく時に、常に立ち返って確認しておく大事なビジョンとして掲げる必要があります。

【地方自治法第2条 地方公共団体は、その事務を処理するにあたっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。】

私が作成した1枚の概念図

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