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#100 日本の食と農を変える8つのメガトレンド その7・8 新しい作物栽培と資金調達


マッキンゼーが読み解く『食と農の未来』シリーズの最終回です。8つのメガトレンドのうち、代替品・代替手法の登場と、新規参入プレーヤーの台頭をテーマにおはなししたいと思います。
学校給食との関わりを考える上で、これらも無視できないトレンドであることは間違いありません。最近、あらゆる分野で人手不足の影響から、変革を余儀なくされているニュースが飛び交っています。IT/DXや、国際取引環境の変化などの話をしてきましたが、正直、日々の学校給食提供のオペレーションに大きな変革が起きている状況は、まだまだ見えていないように感じているのですが、確実に間違いなくこの10年で変化を余儀なくされる事態になることは予想できるわけで、だからこそこの機に調理場を建て替えたりする場面では、見通しを間違わないようにしなければいけないと思っています。

代替品・代替手法の登場

農業における作物栽培について

農業といえば「土」「水」という自然環境の中での作業というイメージを持つ方が多いと思いますが、そのイメージを覆す耕作方法が登場しています。土壌を使わない農法や完全制御された植物工場は、すでに実用化されています。ハウス栽培で、水と養分だけを通すフィルムの上で作物を育てようという栽培方法は、農薬を使わなくてもよかったり、高糖度の作物を栽培できたりという成果が見られるようになってきています。

紙オムツな度に使われるハイドロゲルのフィルムは、ナノサイズの無数の穴があって、水と養分しか通さないので、活用が進んでいます。このシステムは。砂漠地帯やコンクリートの上でも農業を可能にしますので、アフリカなどの水資源に不安を抱えている国への導入が進んでいるようです。
あと、このシステムは、水や肥料の漏れを防ぐので、水と肥料の使用量を抑えることができることも大きなメリットで、トマト、メロン、イチゴ、パプリカ、レタス栽培などに応用されていて、環境保護の観点から期待も高いようです。

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