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数の概念
最初の絵は「尋常小学校」の小1の算数の教科書で、つぎのは今の子どもたちが使っている小1の算数の教科書です。
![](https://assets.st-note.com/img/1700886933619-UJ0rpJd4Vn.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1700886927958-SHQM27Nbpw.png)
いずれも「数の概念」を教える教材ですが、明治の終わりにすでにこんな教科書が作られていたことにびっくりです。
数の概念は「集合数」です。同じものが集まってできるのが数です。そこから「おおきい」「ちいさい」「たくさん」「すくない」などと「算数の言葉」の概念を作っていきます。そんな考え方がすでに明治期にあったんですね。
こうした「数の概念」ができていない子に「計算カード」などを使って足し算や引き算を覚え込ますことは無意味ですし、害さえあると思います。
公△式で学んできた子の中に得意げに「ぼく小6だけど中3の2次方程式が解けるんだよ」という子がいたりします。すごいねぇ、小6で中3の問題が解けるんだ、と思ったら大間違いです。この子は、解の公式を覚えていて、そこに数字を当てはめる「作業」ができるだけなんです。2次方程式が何なのかはまったくわかっていません。
これからは「思考力」「判断力」「表現力」が問われる時代です。先を急ぐではなく、しっかりと「数の概念」を身につけるところからはじめ、その土台の上に計算をのせていく。そんな指導が大事だと思っています。それを明治時代の先生たちはわかっていたということが「すごい」と思うのです。
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