宮嶋大輔

口腔外科学会認定医、インフェクションコントロールドクター、博士、院長。院内感染管理、抗…

宮嶋大輔

口腔外科学会認定医、インフェクションコントロールドクター、博士、院長。院内感染管理、抗菌薬適正使用、科学的根拠に基づいた治療。仕事の見える化、標準化。ヘルス、ウエルネス、フィットネス。

最近の記事

顎関節症、まずは「病態分類」と「治療の原則」

病態分類筆者が学生の頃は、I型とかIII型とか数字で呼んでいたが、それも今は昔。 顎関節症の6〜7割が「顎関節円板障害」で、そのほとんどが、「関節円板の前方転位」ないし「前内方転位」。 顎関節症治療の原則まずは「患者さんへの病態の説明」が治療の第一歩。 その上で、可逆的な保存的治療、つまり理学療法、薬物療法、スプリント療法などといったプロフェッショナルケアは、必ずセルフケアと合わせて実施されるべきで、それによって、2週間から1か月程度で、症状の改善が期待できる。 とは

    • 「くさび状欠損」の原因は磨きすぎか?アブフラクションか?

      「くさび状欠損は過度のブラッシングが原因」という「歯ブラシ説」(Miller, 1907)は、長〜いこと受け入れられてきました。 しかし、くさび状欠損は、 ・歯ブラシの当たりにくいところにもみられたり(Bream, 1992) ・歯ブラシを使わない時代の人にもみられたり(小寺、1998) ・動物の歯にもみられたり(Graehn, 1991) するため、くさび状欠損の原因を『歯ブラシ説』だけで説明することはできません。 1980年代になると、咬合によって歯頚部に集中した

      • 「歯内療法診療ガイドライン」を2分で読めるようにまとめてみた

        歯内療法診療ガイドライン(2020年6月発行)を読んだので、2分で読めるようにまとめてみました。 CQ1. 初回根管治療における 1 回法は複数回法よりも有効か?初回根管治療(未処置の根管に対する根管治療)において、 複数回法より1回法の根管治療を弱く推奨する (エビデンスの確実性:低 推奨の強さ:弱い推奨) エビデンスとして採用された論文にも目を通すと、要するに、 「複数回法(水酸化カルシウムの貼薬)」は、根管治療の術後疼痛や成功率に、大きな影響を与えることはない

      顎関節症、まずは「病態分類」と「治療の原則」