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脊柱に対するトレーニングプログラム

脊柱に対するトレーニングとして体幹深部筋の活動を促すプランクなどの体幹トレーニングをイメージすることが多いのではないでしょうか。

一般的に体幹トレーニングでは横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群などの体幹深層筋(ローカル筋)の機能改善により胸郭・腰椎・骨盤帯の安定性を向上させることが期待できます。

プランクでは主に体幹前面の腹筋群による制御を高めるといった目的があり腰椎に対する伸展ストレスを軽減するのであれば、プランクのような体幹トレーニングは有効と考えることができます。

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腰痛の多くは脊柱による運動機能を腰椎に依存することが発生の要因と考えられ、脊柱全体での腰椎に対する局所的な負荷を軽減し、脊柱を始めとした全身の身体機能のどこに問題が発生しているのかを明確にすることが求められます。

その問題点を改善しないことには、腰椎に対する局所的なストレスを軽減することはできず腰痛を改善することは難しいのではないでしょうか。

全身と局所を合わせたトレーニング

臨床やスポーツ現場で接する腰痛の中でも、最も注意したい腰痛の一つに腰椎分離症があります。

腰椎分離症
成長期に発生する腰椎椎間関節突起間部の疲労骨折で伸展・回旋時の疼痛が代表的な症状の一つ

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腰椎分離症に対する局所的なアプローチとしてはローカル筋による腰椎の分節的な安定性を向上させ、腰椎に対する伸展・回旋ストレスを軽減させることが求められます。

しかし、腰椎安定化の局所的なトレーニングで行っているにも関わらず症状が思うように改善しないケースに遭遇することがあります。

その理由としては、全身的な姿勢の問題により結果的に腰椎に対する負荷がかかっている可能性を疑います。

そのため根本的に症状の改善をするには、個々の姿勢に応じたアプローチによって腰椎にかかる負荷を軽減することも求められます。

【姿勢に関する腰痛についてはこちらの記事で詳しく解説されています】


今回は腰椎分離症をテーマとして扱い、姿勢に応じた局所的な腰椎の安定性を向上させることに加えて、腰部に対するストレス軽減するための全身的なトレーニングについてもご紹介していきたいと思います。

姿勢から負荷を予測する

脊柱の役割は脊髄の保護、脊柱自体が運動する運動機能、四肢の運動を達成する土台となる安定機能の3つの機能を備えています。

また脊柱の生理的弯曲により垂直方向では重力や床反力などの衝撃を緩衝する作用をもちます。

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脊柱全体では頚椎・胸椎・腰椎が分節的に可動することによって、屈曲・伸展・側屈・回旋といった動きが組み合わされ、投球、スイング、キック、ターンなどの動作を遂行することが可能になります。

例えばサッカーのキック動作では胸椎の回旋と骨盤の回旋が必要になり、これらの動きが制限されることによって腰椎に回旋ストレスがかかることが予測できると思います。

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腰椎分離症では腰椎に対する機械的な伸展・回旋ストレスが蓄積することが発生の引き金になることは広く知られています。

では腰痛には腰椎への伸展・回旋ストレスが発生する原因として2つの姿勢に分けて考えることができます。


姿勢別アプローチ

➊SwayBack|骨盤前方偏位タイプ

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